「メルカリ」上場で笑う「“社内”億万長者」の数

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「億り人」がずらりと

 メルカリの筆頭株主は、約29%の株を保有する山田進太郎会長(40)。

「山田会長は上場によって約1千億円を手にすると見られています」(前出の証券会社幹部)

 莫大な利益を得るのは山田会長だけではない。同社が作成した有価証券報告書には、約30名の個人株主が登場する。ほとんどがメルカリの重役や執行役員だが、上は約270億円から3億円まで、巨額の金を手にする「億り人」がずらりと名前を連ねているのだ。

 さらに報告書には、このほかに629名の株主がいると記されている(約380万株)。

「その多くがメルカリおよび関連会社の従業員と見られています(註・同社によると、従業員持株制度を導入しており、新入社員でも株を購入できる)。彼らも、平均すると約1600万円を手にすることになります」(同)

 何ともうらやましい話である。

 だが、メルカリと言えば書店から万引きされた新刊書が出品されるなど「泥棒市場」と批判されたこともある。最近も、ブランデーなど約144万円分の高級酒を盗み、メルカリに出品していた静岡県の建設作業員が逮捕されたばかりだ。メルカリもようやく昨年暮れに出品者の本人確認をするようになったが、犯罪防止対策は充分なのだろうか。

 同社によると、カスタマーサポートのスタッフを400人近い体制に増やし、

「部門横断でルールの見直しや自主規制の強化を行っています。今後も周辺環境や技術の変化に応じ、定期的にルールを見直しながら改善を続けて参ります」(広報担当者)

 株長者の続出で喜んでばかりもいられないのだ。

週刊新潮 2018年6月7日号掲載

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