資産50億円「紀州のドン・ファン」の怪死 “異例の家宅捜索”が意味するもの

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覚醒剤の致死量

 果たして、野崎氏は覚醒剤に手を染めていたのか。

 冒頭で触れた『紀州のドン・ファン』には、次のような記述がある。

〈私は酒はビールを少々だけで、オッパイは吸いますけれどタバコは吸いません。当然、スポーツ選手や芸能人たちに流行の覚醒剤ともまったくご縁はありません〉

 前出の親しい知人も、こう明かす。

「まだあっちの方もお元気で、いまも1日3回のセックスを日課にしていたそうです。そのため、『セサミン』や『カイコ冬虫夏草』などのサプリは愛用していましたが、バイアグラの世話にさえなっていなかった。その野崎さんが覚醒剤に手を出し、“キメセク”していたなどとは、まったく考えられません」

 言うまでもなく、覚醒剤を多量摂取すれば、死に至る危険性がある。

 薬物に詳しい、高野ビルクリニックの冨名腰(ふなこし)文人院長に聞くと、

「覚醒剤使用者が1回に使う量は、0・02グラムから0・03グラム。0・5グラムから1グラムで致死量になる。注射、焙り、あるいは、経口摂取でも、それはほぼ変わりません。神経に異常を来たし、脳出血や心停止を起こす。また、常用者でなければ、それより少量でも絶命することがあります。もし、誰かにビールなどに混入された場合、覚醒剤の質にもよりますが、いつもよりちょっと苦味を感じる程度でほとんど違いはわかりません」

 つまり、ほんの少量でも覚醒剤は人を殺す凶器になり得るのだ。

 ともあれ、現段階では“死因は不詳”だが、Sさんが最愛の人を失ってしまったことには変わりない。

週刊新潮 2018年6月7日号掲載

特集「50億円の相続人! 『紀州のドン・ファン』怪死で疑われた22歳『幼妻』の供述調書」より

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