歌舞伎町の「ゴジラ」にライバル 超高層225mビルの売り物は

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 6000以上の飲食店や風俗店が密集する新宿・歌舞伎町。3年前にゴジラが“襲来”したばかりだが、それに張り合うかのような超高層ビルの建設計画が進んでいる。

 東急電鉄と映画館などを運営する東急レクリエーションは、2014年に閉館した歌舞伎町の映画館「ミラノ座」跡地などに超高層ビルを建設する。5月17日の東京都都市計画審議会を経て、今夏にも政府の国家戦略特区のプロジェクトに認定された後、19年に着工し、22年に完成する予定だという。全国紙の社会部記者によれば、

「超高層ビルは地上40階、地下5階建て。高さ225メートル、延べ床面積8万5800平方メートル。新宿区内では都庁の243.4メートルを筆頭に4番目となり、近隣のゴジラビルを見下ろす格好になります」

 ゴジラビルとは15年にコマ劇場跡地に開業し、実物大のゴジラの頭部を設けた新宿東宝ビルを指す。

「超高層ビルはゴジラビルより約1.7倍高く、延べ床面積は約1.5倍。映画館やホテル、飲食店などが入り、羽田や成田空港からの直通バスの乗り入れも売り物の1つになるでしょう」(同)

 ビル完成後、街の雰囲気が一変するのは確実だが、

「超高層ビルができるのは、大歓迎ですよ」

 こう語るのは、歌舞伎町商店街振興組合の事務局長だ。

「17年前のビル火災で44人の方が亡くなったのをきっかけに、我々と新宿区、警察などが協力して、誰もが安心して遊べる街に再生するための“歌舞伎町ルネッサンス”という運動を始めました。新宿東宝ビルも、東急の超高層ビルも運動の一環です」

その成果で、客引きやボッタクリ店は減少した。

「おかげさまで、子供連れや外国人観光客も足を運んでくれて、街を訪れる人は年々増えています」

 健全化が進む不夜城。だが水清ければ魚棲まずの例えもある。往年のいかがわしさがチト懐かしい気もするが。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

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