セクハラ次官代行「矢野康治」官房長 次の次が見えて“ヒラメ化”?

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加害者側の弁護士に…

 そんなホットなご当人が、セクハラ次官への聞き取り調査を担当したのはご承知の通り。4月16日に公表されたその内容は、何のことはない、上司の言い分に唯々諾々と従っているだけに映る。また、被害女性に対し、「名乗り出てほしい」とした手法にも批判が集中した。事実、野党議員から「名乗り出なければセクハラ認定されないのか」と問われた折に矢野氏は、

「セクハラは『した者』と『された者』とが出てきて事実認定がなされ(中略)、その方が財務省にではなく弁護士さんに名乗り出て、名前を伏せて仰るということが“そんなに苦痛なことなのか”という思いでありますよ」

 その後、記者に認識を問われると、

「自分は相当意識が高い」

 と言い放ったのだ。とはいえ、当の弁護士は財務省が税金で雇う歴とした顧問弁護士である。毎日新聞の元記者で弁護士の上谷さくら氏はこう一蹴する。

「刑事裁判で言うと、加害者がいて、そちら側を弁護する弁護人がいる。その弁護人のところに、“こちらは何もしていないんです。何かされたというなら被害者さん、被害を申告に行ってください。事態の詳細を話してください”と声を掛けるのと、何ら変わらない。そんなことあるわけないですし、ちょっとした想像力もないのかなって思ってしまいますよね」

 頂点が見えた途端、「骨のある人間」からヒラメに堕したのか、あるいは財務省にとっての正義感を追求した結果なのか。

週刊新潮 2018年5月3・10日号掲載

特集「さらばセクハラの王 『福田次官』は恥を知ったか」より

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