それでも「福田前次官」をラブコールで迎える天下り先 給与は

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 福田淳一前次官(58)のセクハラを財務省が認定したことで、5300万円の退職金は減額される見通しである。

「ですが半年もすれば、どこかに天下りするのでは」

 とは、公務員制度に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏の指摘。

「過去に接待や賄賂で懲戒処分を受けた官僚も、ほとぼりが冷めたころに天下っています。福田次官は主計畑が長く、主計の仕事は国の予算の割り振りなので、天下り先は独立行政法人や国の関係団体からよりどりみどりです。民間企業の可能性もあります。たとえば建設会社では、天下りをひとり受け入れるごとに100億円の公共工事を受注できる実態がありますから」

 あらゆる官庁に顔が利く財務省OBを引きこめば、利益が約束される――。こんな盲信か妄信かが消えない限り、ラブコールは止まないのだ。経済部記者は、

「福田さんの4年上、真砂靖元次官は読売新聞西部本社で監査役、日テレや三井住友アセットマネジメントといった4社で社外取締役や社外監査役、三井不動産でも非常勤監査役です」

 そんな例を挙げつつ、天下りの旨みを解説する。

「真砂さんの6社は社外役員でも1000万円前後の報酬があるので、実入りは年5000万円を下らないでしょう。天下りには75歳までとの慣例がありますから、退官後に15年ほど、毎年5000万円が入ると7億円から8億円の報酬が得られる計算になります。天下り先の給与水準はまちまちですけれど、1社1000万円が目安となるのでは」

 こうした天下りを繰り返すパターンもあって、

「“渡り”と呼ばれます。給与と退職金をもらって2、3年ごとに所属を変わるのです。20年前の大蔵省接待汚職事件に絡んで更迭された小村武次官は、政府系の金融機関や研究所から財団法人へと移り、民間の監査役や取締役にも就いています。退官後に億以上を稼いだ“渡りの名人”でした」

 官僚の本分とはかけ離れている気がする。

週刊新潮 2018年5月3・10日号掲載

特集「さらばセクハラの王 『福田次官』は恥を知ったか」より

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