フジの伝統芸「登坂アナ」をワイドナショーで“禊”、視聴率三冠王「日テレ」との違い

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日テレがやらない理由

 前出テレビプロデューサーが続ける。

「今回の登坂アナでは、テーマが福田淳一財務事務次官(58)のセクハラ問題に変わった時に、『隣に専門家がおられるんで……』と松本さんが言うのも、以前に見たことがありますね。ゴシップが嫌いなだけに、松本さんのツッコミは気遣いがあって優しいですからね。それも禊ぎ番組として、謹慎ゲストに選ばれる理由かもしれません」

 加えて、フジには禊ぎ番組の伝統があるとも……。

「『ワイドナショー』の前は、同じフジテレビの『めちゃ×2イケてるッ!』(18年3月で終了)が担当していたようなイメージがあります。13年5月にタワーレコードで下半身を露出して公然猥褻で罰金20万円の略式命令を受けた江頭2:50(52)は、この番組で地上波復帰を果たしましたし、06年に淫行事件で謹慎していた極楽とんぼの山本圭壱(50)を10年ぶりに地上波で使ったのも『めちゃイケ』でした。かつてバラエティ番組で勢いがあったフジの伝統なんでしょうかね。どちらも吉本興業のタレントが受け持つというのも偶然とは思えません。まあ日テレさんは絶対やらないと思いますけど……」

 たしかに、矢口真里の「ミヤネ屋」以外に、日テレ系列の番組でのテレビ復帰というのは見当たらないのだ。日テレ関係者に聞いてみると、

「そうですね、生意気を言うようですけど、うちはクリエイティブなものだけで勝負できる、キワモノを使う必要はない、と考えているんです。例えそれで一瞬だけ数字が取れても、すぐに終わりですからね。むしろ、そういった傷ついた人を出すのは見世物的ですし、テレビマンの良心として潔くない。決して本人のためにも良くないと思っているんです。確かに矢口さんの復帰は『ミヤネ屋』でしたが、あれは大阪の読売テレビの制作ですからね。うちでは、あんなえげつないことはやりませんよ。その点では申し訳ないですけど、フジテレビは緩いですよね。目先の視聴率に目が眩み、社運を賭けた報道番組に、それ以前から女性問題が報じられていた登坂アナをキャスティングしてしまうということにも繋がっているのかもしれません」

リスク管理やっているのか!

 フジには登坂アナ同様、16年4月から“ホラッチョ”ことショーンK(50)を報道情報番組「ユアタイム」のMCにキャスティングしたものの、経歴詐称が報じられて、これまた番組開始前に降板という過去がある。

 ショーンKの抜けた「ユアタイム」に出続け、今回は麿と一緒に「ワイドナショー」に出演したモーリー・ロバートソン(55)はいみじくもこう言った。

「やっとフジテレビが心機一転、行こうと思っていたらコレ(登坂問題)なんです。『(フジテレビは)リスク管理やってるのか?』っていう部分はある。今、経歴詐称している人、ほかの問題を抱えている人っていうふうに、まずはそこらへんの身体検査から先にやるべきなんじゃないの?」

 視聴率では4年連続の三冠王を続ける王者・日本テレビと、万年4位が定位置になりつつある元チャンプ・フジテレビとの差は、こんなところにも現れているのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月19日掲載

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