「新生児取り違え」被害者が明かす“順天堂からの恫喝” 〈守秘義務違反があった場合には…〉

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謝罪の前に恫喝

 覚悟を決めた小林さんは、順天堂への不信感を吐露する。

「順天堂はホームページの〈お知らせ〉に、順天堂で生まれてすぐ取り違えられた私にも〈心よりお詫び申し上げます〉と書いています。でも、順天堂側から情報が漏れてしまったことについて、私に直接の謝罪はないままです」

 順天堂のこうした姿勢は、いまに始まったことではないという。

「取り違えについて初めて話し合った2016年3月3日から、順天堂はひどかった。医師も職員も名刺さえ出さず、唐突に話を始めたんです。普通は最初に謝罪するものではないでしょうか。そもそも順天堂はいまのいままで、しかるべき責任者が私と母に一度も頭を下げていません」

 そのうえ、さらに小林さんの怒りを増幅させる事態が起きていたという。

「〈お知らせ〉の掲載後、順天堂の代理人弁護士から私宛てに〈通知書〉が送られてきて、そこには、週刊新潮に記事が載ったのを踏まえてこの件を公表する、という通知に続き、こう書かれていました。順天堂がホームページで公表したからといって、〈貴殿らとの合意書に基づく貴殿の守秘義務が解除されることにはなりませんので〉〈貴殿らに守秘義務違反があった場合には、しかるべき対応を取る所存ですので〉。これって恫喝じゃないですか? ホームページでは〈心よりお詫び〉と言って世間体を取り繕って裏で恫喝する。どういう病院でしょう」

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

特集「闇に葬られた『新生児取り違え事件』で急展開 被害者がすべてを告白した『順天堂大学』隠ぺいのカルテ」より

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