“親日”台湾で反日教育… 現代人も努力が必要(KAZUYA)

国際 週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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 公益財団法人全国修学旅行研究協会の調査によれば、2016年度の高校生海外修学旅行先は台湾が一番でした。人数で言うと10年前と比べて11倍以上の4万1878人になります。親日的で旅費も安価、治安も悪くない台湾への渡航が増えるというのはある意味必然でしょう。一方で中国や韓国への修学旅行は激減しています。韓国は10年前の7分の1、中国は4分の1という有様です。

 僕も3月に台湾へ行き、台南で日本語を学ぶ台湾人の若者との交流会を行ったのですが、その中である台湾人青年が僕に話しかけてきました。

 彼は「デリケートな問題だけど……」と前置きし「日本では昔の歴史をどう教えているのか?」と言う。要は近現代史をどう扱っているのかということなのです。僕は、「日本では過去の歴史、特に近現代について自虐的だと言われることがあるくらい、日本が悪かったという認識で教えられることが多い」と答えました。

 すると「それならなぜ日本の政治家は謝らないのか?」と不思議がっていました。さらに「日本は昔酷いことをしていた」と言います。

 かつて日本が統治していた台湾ですが、日本の敗戦後は蒋介石率いる国民党が乗り込んできます。国民党は台湾人を弾圧し、長らく暗い時代が続きました。

 国民党は自分たちの正当性を示すため、日本がいかに悪かったのかということを教育します。しかし日本時代を生きた世代の台湾人からすると、「日本の方がいいじゃないか」となるわけです。

 比較することによって、日本に対する評価を客観視することができたという点で、現代に連なる親日の系譜が出来上がったと見ることもできるでしょう。

 日本時代を知らない世代が増えると、昔の日本は本当に悪かったのだと思う人も多くなるわけです。昨年、こちらも台南で会った青年はおじいさんに日本時代の話を聞き、「日本への感謝を忘れるな」と教えられたそうです。そのため、学校では反日的な教育をやっているのに、おじいさんは真逆のことを言うギャップに苦しんだと言っていました。

 今回会った青年はそうした話を聞いておらず、単純に昔の日本は悪かったのだなと思ったのでしょう。僕が「どんな酷いことを日本はしましたか?」と聞くと特に事例が出てこず、中国での南京事件などが話題に上りましたが、様々な論があり蛮行の証拠とされる写真等についても検証がなされていると話すと大層驚いていました。

 日本人自身歴史に明るくないので、その青年は反論されたこともないのでしょう。しかし我々が説明しなければ、日本の立場もより危ういものになっていきます。今回話した彼は日本が嫌いというわけでなく、日本語を学ぶくらいですし単純に気になっていたようです。

 台湾で日本時代を知る世代も残りわずかです。文化面ではK-POPをはじめ、韓国勢も健闘していますから、日本のアニメ等の文化もうかうかしていられません。

 台湾は親日的だけど、決して一枚岩ではない。今後さらに日台友好へ繋げる現代人の努力が必要になります。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者40万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)