初打席、初登板で“勝利”した「大谷翔平」第1章

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“二刀流”大谷翔平(23)に全米が熱狂しつつある。

 アメリカで“ツーウェイ・プレイヤー”といえばベーブ・ルースだ。大谷も“日本のベーブ・ルース”と呼ばれたりする。

 開幕前は、オープン戦で投打とも振るわない大谷に対して、“オオタニヘイター”――おもにヤンキースなど大谷に袖にされた球団のファンで構成される“大谷嫌い”――たちは、それ見たことかと気勢を上げた。

 3月29日の開幕戦、8番DHで出場した大谷は初打席でヒットを放った。それでもヘイターは“ルースは8番じゃねえし!”と吠えた。だが4月1日、メジャー初先発で勝利投手になると、ヘイターたちは一気にトーンダウンした。

 ここで、両者のメジャー初先発を比較しよう。ルースのそれは4-3のスコアで7回に降板し勝利。大谷も4-3のスコアで6回を終えて交代し勝利、と似通っている。ただ内容は、ルースが1奪三振8被安打に対して、大谷は6奪三振3被安打と長じている。

 エンゼルスもその辺りを心得ていて、「開幕戦に投手以外で先発した選手が10試合以内に投手で先発登板したのは、1919年のベーブ・ルース以来99年ぶり」と発表。まどろっこしい表現だが、二人を重ね合わせる必死さに球団の熱意を感じるではないか。

「“二刀流”は日本ではせいぜい高校野球までですが、アメリカでは大学野球でも珍しくなく、二刀流選手向けの賞があるほどです」

 とメジャーリーグ研究家の友成那智氏が語る。

「ベーブ・ルースのような成績を収めた選手が100年間いないだけで、最近ではキーシュニックなど過去に“ツーウェイ”はいました。むしろ日本より受け入れる素地はあります」

 イッツ翔タイム!

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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