濡れ手で粟の「カルプレス」被告 破産したはずなのに1400億円

社会週刊新潮 2018年3月29日号掲載

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 石が浮かんで木の葉が沈む。債権者にすればそんな気分だろう。4年前、巨額のビットコインが盗まれたマウントゴックス社(以下マウント社)の破綻は、仮想通貨の危うさを世に知らしめたものだ。社長のマルク・カルプレス被告も業務上横領罪などで裁判中の身である。ところが意外や、このまま破産処理が進むと、カルプレス被告が「大富豪」になってしまうというのだ。

 破産手続き中のマウント社の債権者集会が開かれたのは去る3月7日のことだ。

 債権者の1人が言う。

「マウント社には約2万5000人の債権者がおり、同社には約20万ビットコイン(BTC)が残っていました。管財人はそのうちおよそ3万6000BTCを市場で売却し、430億円ほどの現金を確保したことを報告したのです。破綻した際の債権額は約460億円ですから、これによって、債権者への配当の大半が手当てできたことになります」

 が、これに不満の声をあげたのが当の債権者である。

「管財人によると、債権者への配当は破産手続き開始当時の1BTC=約5万円ということです。つまり、10BTCの債権者は50万円しか戻ってこない。ところがビットコインはご存じのように急騰し、現在1BTC=80万円前後(3月18日時点)。430億円を配当しても、まだ約17万BTC=約1400億円弱が残っています。それがどこに行くのかというと、法律上ではマウント社の株主に配分されることになる」(同)

 同社の88%の株式は親会社の「TIBANNE」が保有しており、その100%株主は、カルプレス被告である。

 債権者にしてみれば、ビットコインは本来自分のもの。何で被告のカルプレスが持って行ってしまうのか、というわけだ。

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