春の選抜出場校を独自調査 “外人部隊”率ランキング1位の高校は?

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無理をする傾向が見える「初出場校」

 1位に輝いたのは明秀学園日立高校(茨城県日立市)。ひょっとすると「聞いたことがない校名だ」と呟く方もおられるかもしれない。春夏を通じて甲子園は初出場。1925年に「裁縫女学校」として開校され、96年に男女共学で野球部が設立された。

 2位の日本航空高等学校石川(石川県輪島市)は2003年に創立された歴史の新しい高校だ。夏の甲子園には2回、出場経験がある。同率2位の松山聖陵高校(愛媛県松山市)も夏は1度だけ出場した実績を持つ。

 上位3校とも甲子園に出場することが、学校の至上命題になっているのではないか。とにかく甲子園の土を踏み、学校の知名度を上げる。そんな、なりふり構っていられない姿勢を、“外人部隊率”が浮き彫りにしているようだ。

 明秀日立と日本航空石川の“大阪率”も凄いが、さらに驚かされるのは松山聖陵の“沖縄率”だろう。今年の選抜で沖縄県の高校は選ばれなかった。これなら沖縄の高校野球ファンは松山聖陵を応援すればいいのではないかと思うほど、沖縄の中学校を卒業した野球部員が目立つ。実は同校の荷川取秀明監督(36)は沖縄尚学高校OBだ。太いパイプでスカウトしているのだろう。

 逆に“冤罪”の可能性があるのは慶應義塾高校(神奈川県横浜市)。東京の中学を卒業した部員が8人に達しているが、これは“外人部隊”とは違うはずだ。“野球留学”を果たしたのではなく、やはり慶應高校に憧れて一般入試を受験したり、推薦に出願したりして、見事に合格を果たした生徒だと考えられる。

 公式ガイドブックでの選手紹介を見ると、慶應高校の高校受験組も、中学時代にしっかりとリトルシニア(中学硬式野球)のチームに所属していたことが分かる。まさに文武両道というわけだ。

 また都市圏や県境の高校は、他の都道府県に住む生徒が普通に通学しているケースもある。だが、この傾向は表の内訳を見てもらえれば、はっきりとあらわれている。

 一方で戦績を見れば、やはり外人部隊率の高い高校の方が、好成績を収めているようだ。上は白星が多く、下は黒星が目立つ。ただ、じっくり見てみると、下が上を撃破した“番狂わせ”もないではない。高校野球の醍醐味だろう。

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