麻原彰晃、暴走の原点は幼少期 権力維持で求めた“仮想敵”

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“執行できるのか”

 公判では当初“まとも”だった麻原だが、後に「アイ・キャン・スピーク・イングリッシュ・ア・リトル」などと突如、英語を交えるなど意味不明の弁論を展開した。2006年に死刑が確定。その後も、面会に来た娘の前でマスターベーションを見せるなど“狂気”はエスカレートするばかり。そして、08年以降は、誰の面会にも応じなくなった。そしてその閉ざされた空間では、先の証言のように(第1回参照)、糞尿まみれの生活を送っているのである。

「その姿を見た刑務官が、“本当に執行できるのかな”と呟いていたことがありました」(元衛生夫)

 当時も今も一貫して現実から逃れ続ける麻原。まもなく来るはずのその「瞬間」には、果たして現実に戻ることができるのだろうか。

(3)へつづく

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

短期集中連載「13階段に足をかけた『オウム死刑囚』13人の罪と罰」より

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