「貴乃花」裁判闘争が水入りに… 「貴公俊」暴行事件

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絶対に追及する

 今回の一件がなければ、貴乃花親方は、どのような反撃の手を考えていたのか。

「あまり手の内は明かせませんが……」

 と語るのは、親方の代理人を務めるTMI総合法律事務所の田中克郎弁護士。

「協会側の高野利雄危機管理委員長と貴ノ岩の診断内容を協会に漏らした医師の責任は、絶対に追及します。刑事処分を求めることが出来ると考えています」

 どういうことなのか。

「刑法には秘密漏示罪があります。医師や弁護士などには守秘義務があり、本人の同意なく第三者に漏らしてはならないとされている。ところが、貴ノ岩を診断した医師は記録を協会に開示してしまった。そして、高野委員長は守秘義務を負っている医師にその秘密を言わせているため、共犯に当たると考えられます」

 さらに協会には、損害賠償請求を行うことはもちろん、元横綱にも責任を取らせるというのだ。

「日馬富士の暴行傷害については民事提訴をやらざるを得ない。伊勢ヶ濱親方に責任はないので元横綱だけ。我々は彼に反省してほしい。元横綱が真実を明かさなかったために、これだけの騒動になっているのだから」(同)

 しかし、弟子の不祥事によって、事態は変わった。

「元々、協会は、貴乃花親方が無断欠勤や勝手にテレビ出演したことなどの理由で、場所後に処分を考えていました。すでに理事職は解任されているので、減給処分が考えられた。今回の暴行の件で、一段と重い処分が下される可能性は十分あり得る」(前出の記者)

「貴の乱」第2幕の成り行きは誰にも見通せなくなってきた。

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

ワイド特集「明日ありと思う心の仇桜」より

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