麻生財務相に赤信号… 大臣のクビが飛んだ「引責辞任史」

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「額賀ケース」

 こうした道理が麻生氏には通じず、彼は大臣の椅子に居座り続けている。この先も麻生氏に日本経済の舵取りを任せるしかないのかと想像すると暗澹たる思いが募るばかりだが、全国紙の政治部デスクは、

「今回の改ざん事件は党内の政局になりつつある。事実、森政権以降、非主流派で不遇をかこつ額賀派の議員は、かつて『額賀(福志郎)防衛庁長官ケース』があったと言い回り、安倍総理を支える麻生さんに揺さぶりを掛けています」

 こう解説した上で、その「額賀ケース」を振り返る。

「やはり98年、額賀長官時代に、防衛庁の調達に関する背任事件で東京地検が防衛庁を家宅捜索する異常事態が発生しました。この背任行為自体は、額賀さんが長官になる前のことで、彼が知りようもない話でしたが、事件が明るみに出た時の『組織の長としての責任』を取って、結局、辞任するに至った。この額賀ケースを流布し、『麻生ケース』で辞任しないのは筋が通らないと、額賀派は麻生さんにプレッシャーを掛けているわけです」

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が先行きを読む。

「麻生大臣には、部下が不祥事を起こし、自殺者まで出てしまったことの監督責任と、佐川氏を引き立てた任命責任というふたつの責任がある。ノーパンしゃぶしゃぶで大臣が辞任した例もありますし、彼は今後追い詰められるでしょう」

 それでも麻生氏に辞めるつもりがないのならば、無理やり彼の大臣の椅子を運び去るしかないか。「佐川急便」にでも頼んで――。

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

特集「地獄の門が開いた 『森友改ざん』の『アベゲート』」より

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