前代未聞の逮捕はあるか「佐川長官」が塀の中に落ちる日

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 例年、確定申告における所得税の納付期限は彼岸の入りとほぼ重なっている。暑さ寒さも彼岸まで、と言うけれど、あんな佐川も彼岸まで……持たなかった。国税本庁のほか524の税務署を統(す)べる立場から一転、塀の中へスベり落ちる、すなわち前代未聞の逮捕はあるのかと、囁かれ始めている。

「麻生さんは、佐川の辞任を発表する会見で『減給20%、3カ月の懲戒』と処分をいきなり発表し、追加処分も辞さず、ということでした。これは、官邸が佐川を切ったことを意味しています」

 と、永田町関係者。

 続く12日、財務省は文書書き換えの事実を認めたわけだが、

「一連の行為は理財局内の部長や課長らの指示で行なわれた可能性があり、そのトップが局長の佐川だった。それが明らかになったということですね」(同)

 昨年9月、市民団体からの告発を受け、大阪地検特捜部は、近畿財務局に対する捜査を進めてきた。

「でも正直、何をやっているのか全くのアピール不足。それがここにきて、官邸が見放した、つまり国策捜査のターゲットとなりそうな佐川が“登場”した。国民の空気を読みながら、捜査に“着手”することも当然あるでしょう」(同)

 社会部記者が後を受け、

「佐川が刑事責任を問われるとなると、3つの可能性があります。まず、一部削除していたということで『公用文書等毀棄罪』、文書の作成権限がない人が公文書を変造していた場合の『公文書変造罪』、そして、作成権限のある人が決裁文書を嘘の内容に変造したならば、『虚偽公文書作成罪』に相当します」

 ちなみに、公用文書等毀棄罪は懲役3カ月以上7年以下、公文書変造罪と虚偽公文書作成罪は懲役1年以上10年以下となっている。

共謀共同正犯で

 元東京高検検事の川口克巳弁護士は、こう指摘する。

「罪状の軽い公用文書等毀棄罪、一方で重い虚偽公文書作成罪の両方からアプローチするのではないでしょうか。理財局長だった佐川さん自らが書き換えを行なったとは考えられない。彼からの指示を受け、実際に毀棄をした人物がいるはず。特捜部としては、その人物を聴取し、佐川さんは共謀共同正犯で同罪に問う可能性があります」

 逮捕となれば、籠池夫妻と同様、大阪拘置所に勾留となる。とりもなおさず、森友問題の爆心地である。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

特集「3選も改憲も吹き飛んだ 『森友改ざん』の爆心」より

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