森友文書改ざんで自殺者を出した財務省 20年前「接待汚職事件」も自殺者2人

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事件全体では6人の自殺者

 ご覧の通り、「総会屋利益供与事件」や「日本道路公団事件」などを含めると、自殺者は6人に達する。では大蔵省の管理官と課長補佐の自殺は、どのように報道されたのか見てみよう。表記を本文と合わせるために、原文に改行や英数字の変更などを施したことをお断りしておく。

▼金融管理官
《28日午後8時45分ごろ、東京都渋谷区(略)の国家公務員官舎(略)、大蔵省銀行局総務課金融取引管理官、【記事実名】(54)の妻(52)から、「主人が首をつって死んでいる」と110番通報があった。

 警視庁渋谷署で調べたところ、【実名】さんは同室玄関付近で、ネクタイで首をつり、すでに死亡していた。死後4、5時間たっていた。同署は自殺とみているが、遺書などは見つかっていない》(読売新聞98年1月29日朝刊)

▼中小金融課長補佐
《12日午後6時10分ごろ、東京都台東区(略)大蔵省銀行局中小金融課課長補佐【記事実名】(46)が自宅マンションの和室で、電気コードをかもいにかけ首をつっているのを、帰宅してきた家族が見つけた。通報を受けた警視庁下谷署が1時間半後に死亡を確認。

 午前9時ごろ、同課に「風邪で休みたい」と連絡し欠勤していた。別の部屋に遺書とみられるメモが残されていたが下谷署は自殺の動機は記されていないとしている》(読売新聞98年3月13日朝刊)

 森友文書改ざん事件と20年前のノーパンしゃぶしゃぶ事件で、自殺した財務省(旧大蔵省)の官僚を合計すると4人になる。そのうち1人は動機がはっきりしないとはいえ、やはり全員が大蔵省=財務省の犠牲者だと言っても過言ではあるまい。

 接待事件がきっかけとなり、大蔵省は2001年に解体され、財務省と金融庁に分割された。今回の公文書改ざん問題では、「財務省解体」を訴える声も出るかもしれない。 

週刊新潮WEB取材班

2018年3月22日掲載

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