「アンナチュラル」を正視できない慶応医学部 司法解剖の実績ゼロ

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“数の問題ではない”

 捜査関係者の話。

「技術が拙いんですよ。教科書のカラーコピーを見ながら執刀していたこともあります。そのため時間も掛かってしまい、通常2〜3時間のところ、8時間とか掛かる。解剖中は警察官が立ち会うきまりなので、その間、ずっと付き合わされるからたまりません。それで依頼しなくなったというわけです」

 当の田宮教授は、

「これから徐々に改善していきますので、ご心配はいりませんよ。私は表面的に取り繕ってやってゆくのではなく、ちゃんとしたものをゆっくりと時間を掛けてやっていく、だから、数の問題じゃないんですよ」

 と言うから、いま一度、繰り返そう。実績ゼロである。

 千葉大学附属法医学教育研究センターの岩瀬博太郎センター長は、

「かつての慶応は法医学でパイオニアだっただけに、寂しく思う。法医学を志す学生のためにも、国や自治体は、各大学が連携して人材育成できるシステムを真剣に考えて欲しい」

 もはや、石原さとみ先生に縋(すが)るしかないか。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

ワイド特集「改ざんシンドローム」より

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