告発状「伊調はエコノミー席」パワハラの嘘 協会副会長が実名で明かす 

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「週刊新潮」先週号が報じた、伊調馨(33)をめぐるパワハラ告発の黒幕の存在。背景には日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)と伊調の従兄弟であるI・T氏との確執、そしてレスリング界の権力闘争があった。告発状の内容にも、事実と異なる点が多々あり……。

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 かつて芸能事務所を経営していたI氏は、在籍していた女性タレントから100万円を脅し取り、恐喝容疑で逮捕された過去がある。このほか某グラビアアイドルを操り、IT社長らに迫る「美人局」の常習犯だが、

「昨春、Iさんは仕事上のトラブルから敵対するようになったある人物に対し、仲間を焚きつけて、いくつもの裁判を起こさせました。訴えの内容は、“名誉を毀損された”“預けた金を返せ”とかで、ほぼ言いがかり」(I氏の知人)

 実は、黒幕として表には出ないI氏に代わり、嫌がらせ訴訟を起こした原告側の代理人には、内閣府にパワハラ告発状を提出した貞友義典弁護士が就いているのである。

 その告発状に書かれた内容はデタラメばかりで、例えばリオ五輪の際に、伊調がエコノミー席に座らされたという点。これを伝える報道によれば、栄氏は〈自分が気に入っている選手(吉田沙保里、登坂絵莉)と共に、選手団の乗る飛行機とは別の飛行機のビジネスクラスに搭乗〉し、一方の伊調は〈選手団の一員として、エコノミークラスでリオデジャネイロに向かった〉というのだが、

「JOC(日本オリンピック委員会)の規則では、トップアスリートであってもエコノミークラスの交通費しか支給されません」

 と、日本レスリング協会副会長で、至学館大学学長の谷岡郁子氏が真相を明かす。この時、吉田は自腹で、登坂は所属先企業が負担する形で、それぞれ席をアップグレードしたのだという。

「長時間のフライトなのでエコノミー症候群を心配し、栄監督は馨にも“ビジネスクラスに乗らないか?”と声をかけていました。でも、それを断ったのは馨の方でした。決して、不公平に扱ったわけではありません。馨もそれはわかっているはずなのに……」

 谷岡氏は、かつての教え子である伊調について“早く目を覚まして”という気持ちであると明かす。

「馨が栄監督を苦しめたいとかレスリング界から追放したいという負の感情に基づいて行動しているとは思えない。自分の欲ではなく、他人の欲に利用されているのではないでしょうか」

 3月15日発売の「週刊新潮」では、“栄氏が伊調の練習場所を奪った”という告発の裏側にも言及するほか、2種類あったパワハラ告発状の存在、他の選手たちも振り回した伊調と田南部力コーチの関係性とあわせ、詳しく報じる。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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