仮想通貨ブーム、まだ「一攫千金」狙える? プロが教える通貨リスト

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 昨今のブームを前に、仮想通貨に手を出すべきか、出さざるべきか――初心者はハムレットのような心境になるもの。

 投資の「プロ」は“今後”をどう見ているのか。

「短期的には値下がりのトレンドを迎えると思います」

 と述べるのは、投資ライターの高城泰氏である。

「仮想通貨の基盤になっているブロックチェーン技術をインターネットに擬(なぞら)えるとわかりやすい。2000年前後、ITバブルがありましたが、その際のヤフーやアマゾンの株価を見ると、急速に上がって翌年には崩壊し、ピークの10分の1程度になっています」

 これまでの仮想通貨の値の推移も、これと似た曲線を描いている。すなわち、仮想通貨のバブルも既にピークを迎えたのではないか――と言うのである。

 もっとも一方で、長期的な視野に立てば、仮想通貨の可能性は必ずしも否定できないそうで、

「そのアマゾンも一旦、株価が落ちた後、徐々に回復し、今ではITバブル時の15倍に。つまり、技術とそれを利用したサービスそのものに社会的な価値があれば、長期的には需要は伸び続けるのです。仮想通貨の価値が今後上がっていくかどうかは、社会に必要な存在になれるかにかかってくる」(同)

 では、その観点から、これから仮想通貨を買うのであれば、どんなものがおすすめなのだろうか。

「将来のビジョンが明確で、それに従って開発が行われ、その進捗状況がオープンなコインを選ぶべきです」

 と述べるのは、『ビットコインのすべてがわかる本』の著者、高橋諒哲氏。

「その視点で見れば、選択肢はビットコイン、イーサリアム、XRP(リップル)の3つ。ビットコインは仮想通貨という概念を作り出し、イーサリアムは、決済以外の用途にも幅広く対応できる柔軟な設計になっています。XRPも、自社のブロックチェーンを使って、世界中の銀行の国際決済を行うことを目指している。この3つには他にない独自性やビジョンがあるのです」

 逆にその他の仮想通貨は、多かれ少なかれこの3つのトレースに過ぎず、淘汰の危険性があるというのだ。

 前出・高城氏も言う。

「私もビットコインを勧めます。最も古い仮想通貨で、優秀な技術者が集まって進化が続いています。次がイーサリアム。今の値は、ビットコインの10%ほどですが、実用性を見ればこれは低すぎる。今後、ビットコインの50%程度まで上がっても不思議ではありません」

 これらの仮想通貨は、日本の取引所でも購入可能。確かに初心者にもわかりやすい反面、評価が定着しているので、今後、上がり幅が少ないという面もある。

「一攫千金」、大穴コインはないのか。高城氏が続ける。

「コインを取り巻くコミュニティの規模と時価総額の間には、一定の相関関係があります。その点で言えば、コインのツイッターのフォロワー数が多いのに、時価総額の低いコインが狙い目。タイ発の『OmiseGO(オミセゴー)』やアメリカの『Dogecoin(ドージコイン)』などがそれに当たる“割安通貨”です」

 また、さる業界関係者が言うには、

「現在、量子コンピューターが開発中です。このコンピューターの能力は圧倒的で、仮想通貨の暗号をすべて無効にできるほどの力がある。そんな中、これにも対応可能と言われているのは、エイダコイン。これなどは、量子コンピューターが一般に普及した将来には、価値が1000倍、1万倍に上がっているかもしれない。長期的に持つのなら、格好の材料だと思います」

週刊新潮 2018年3月8日号掲載

特集「リスク100% 『仮想通貨』への招待状」

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