仮想通貨で4億円が溶けた! 失敗投資家がハマった「レバレッジ」地獄

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 1年で価格が20倍にもなった「ビットコイン」を始め、昨年は仮想通貨が相次いで値上がりを見せた。億単位の儲けを出した「億り人」の存在は注目を集めたが、むろんそれは極端な成功例。「鉄火場」が甘い話ばかりで終わるはずもない。含み益で稼ぎながらも、売り時を逃して「億り人」のチャンスをパーにしてしまった失敗談もある。

「4億円がゼロになってしまいましたよ」

 と最早笑いながら話すのは、さる30代の愛知県在住・独身男性。この男性は昨年1月に仮想通貨にチャレンジ。さまざまな通貨を扱い、12月の時点では、ビットコインバブルの波に乗って、200BTC、つまり4億円相当の含み益を得ていたという。ところが――。

「今思えば、ここで現金に戻せば良かった。だけど4億円を戻すと、税金で2億円ちょっとはとられてしまう。そのうちに年が明けました。するとどんどん値が下がってしまったんです」

 まずい、と思って、男性は1月上旬、慌てて4分の1のビットコインを売却。数千万円を手にしたが、4億円と比べれば目減り感は否めない。で、これを取り返そうと、男性は残ったビットコインを使い、勝負に出た。レバレッジ取引である。証拠金を取引所に預け、その数倍の金額で取引が可能になる手法だ。例えば、手元に1BTCしかなくても、それを預け、レバレッジを10倍で設定すれば、10BTC分の売り買いが出来る。しかし、逆にビットコインの価値が一定以上落ちれば、証拠金は没収、退場となる。彼の場合は、

「レバレッジをかけた直後、ビットコインが大暴落。証拠金をすべて没収され、12月には200枚持っていたビットコインはほとんどゼロになってしまいました。手に入れた数千万円だって、これまでの取引の税金を抜かれれば、ほぼゼロになりますから……」

 この間、わずか1カ月。天国から地獄へ転げ落ちたというワケだ。

 こうしたケースは何も特殊な例ではなく、

「私の場合、10BTCを証拠金として預けていました。が、やはり1月の暴落で、一気に没収された。トータルで1600万円分が一瞬でパーになりました」(都内在住・20代男性)

 ビットコインはじめ仮想通貨は価格の上下が激しい。そのため、株や為替に比べてレバレッジ取引のリスクも格段に増す。うまい話の裏には、大きな陥穽(かんせい)も広がっている。

週刊新潮 2018年3月8日号掲載

特集「リスク100% 『仮想通貨』への招待状」

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