“捏造”中毒の厚労省、受動喫煙データでも 数値を80倍に盛る

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80倍に「盛った」厚労省

 実際に検証してみる。

 受動喫煙対策法案では、旧来の紙巻きたばこだけでなく、最近流行している加熱式たばこも規制の対象に加えられている。だが、「燃やす」のではなく、文字通り「加熱する」だけの加熱式の煙には、においはもちろん有害物質もほとんど含まれていない。つまり、加熱式による「受動喫煙被害」はほぼない、より正確に言うと、少なくとも現時点で明らかになっていない。

 しかし、禁煙原理主義者である厚労省は、それでは困る。紙巻きであろうと加熱式であろうと、たばこという「悪」はこの世から根絶しなければならない。そのためには、何としてでも加熱式の害を強調する必要がある――そう考えたのであろう同省は、データを「作る」という禁断の手に打って出たのだ。厚労省のホームページには、こう記されている。

〈同一条件下(中略)で室内のニコチン濃度を測定したところ、紙巻きたばこ(1000〜2420マイクログラム/立方メートル)に比べ、加熱式たばこ(26〜257マイクログラム/立方メートル)〉

 紙巻きより低いとはいえ、加熱式の煙にもニコチンが含まれていることをアピールしているわけだ。ゆえに、加熱式も規制対象に加えて当然だと。しかし、

「これは、現実社会には存在し得ない数値です」

 と、たばこに詳しい関係者は腰を抜かす。

「厚労省はWHO(世界保健機関)を『信奉』し、受動喫煙対策を推し進めています。そのWHOの外部組織で、権威のある国際がん研究機関(IARC)がまとめた研究論文の中の調査では、さまざまな室内環境での空気中のニコチン濃度は『0・3〜30マイクログラム/立方メートル』となっている。この調査は、加熱式がまだ普及していない1957年から91年の間に行われたもので、当然、紙巻きの時代のデータ。つまり紙巻きで比較すると、厚労省の上限数値である『2420』はIARCの上限『30』に比べ、約80倍もニコチン濃度が高くなっているんです」

 これは何を意味するのか。

「厚労省がたばこの『害』を印象付けるために、意図的に『ニコチン高濃度環境』を作り上げたとしか考えられない。電話ボックスにヘビースモーカーを閉じ込めて測定でもしない限り、こんな数値は出ないはずです」(同)

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