G20開催都市は大阪に 招致の舞台ウラ神経戦

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 昨年来、情報が飛び交うばかりだった問題が決着した。

 政治部デスクの話。

「来年、日本で開催されるG20サミットの開催地が2月20日、大阪に決定しました。実はこの開催地問題、政府内で暗闘が繰り広げられていたのです」

 政府は当初から、大阪での開催で調整していた。

「2025年の大阪万博招致を目指す松井一郎大阪府知事と日本維新の会が熱心に取り組んでいました。万博に向けて、国際的なアピールになりますからね。一方、立候補していた福岡市は各国のVIPを泊めるホテルの客室数が足りないことが問題でした。昨年末には各紙が“大阪有力”と報道しています」

 だが、これは単に自治体同士の争いではなかった。官邸関係者によれば、

「福岡市のバックには地元の麻生太郎財務相、大阪には維新と親しい菅義偉官房長官がいます。菅さんは以前から維新サイドに対し、“大阪で開催するのが自然だ”と話していました。対して、麻生さんは福岡市長とタッグを組み、ホテルの客室数を増やすよう計画。弟で九州経済連合会の会長である麻生泰(ゆたか)さんも招致へPRし、巻き返しを図りました」

 結果、福岡優勢という報道もあった。

「自民党大阪府連の一部に、“維新に花を持たせてどうする”という意見まで出てきた。総理も、無条件で大阪というわけにはいかなくなった」(維新関係者)

 ところが、

「菅さんは “福岡の利点は空港が近いだけ”と不満を漏らしていました。総理も周囲に“決定はちょっと待って”と話していた中、ようやくの決断でした」(先のデスク)

 官房長官の勝利だったというわけだ。

週刊新潮 2018年3月1日号掲載

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