“社員弁護士”が提訴 オリンパスの“不祥事”隠し

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“お墨付き”の根拠

 本誌がOSZの問題を質した際、オリンパスは“社内調査委員会が15年10月に作成した最終報告書で、違法性なしと結論を出しているので解決済み”だとし、

「米国司法省及び中国の関係当局へ報告、説明をしております。当社から海外当局に対する自主申告から既に2年以上が経過していますが、刑事罰を含めた処分は何ら受けていません」(オリンパス広報・IR部)

 つまり、オリンパスは“海外の司法当局がシロだと判断した”と主張しているわけだ。

「OSZの件で、そもそも米司法省や中国の関係当局へ自主的に報告、説明していたのでしょうかね」

 こう疑問を口にするのは、オリンパスの別の社員だ。

「OSZの問題で、社内で海外当局へ自主申告したという説明を受けた記憶はありません。当局とは文書でもやり取りしたはずですから、それを公にすれば疑惑を払拭できると思うのですが……」

 改めて、オリンパスの広報・IR部に海外当局への報告、説明の詳細を聞くと、

「HP上の1月31日付『当社及び当社子会社に関する一部報道について』にて公表していますので、参照してください」

 だが、HP上のリリースはおろか、過去の公開資料などにも海外当局から“お墨付き”を得た経緯は一切明らかにされていないのだ。経済誌の記者がいうには、

「監督官庁の経産省や東京証券取引所、監査法人なども、OSZの問題に関心を持ち始めています。日本の関係当局の聞き取り調査でも、オリンパスは同じことがいえるのでしょうか」

 オリンパスの口封じが、役所にも通用するとは思えない。

週刊新潮 2018年2月15日号掲載

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