中居クンの“カラ元気”に感じるもの寂しさ「平昌五輪」メインキャスター採点表

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お内裏様とお雛様

 女子フィギュアの金メダリストである以上、櫻井が五輪王子であるのとはまったく違う意味で、荒川はオリンピックのお姫様。ですから、五輪キャスターに起用にされても、櫻井のような「YOUは何しに平昌へ?」感はないし、ワタシも適任だと思いますが、ワタシの周りの、特に女たちからはウケがよくない。

「(浅田)真央チャン(27)が取れなかった金メダルを取った静香」「ちゃっかり医者と結婚しちゃった静香」という敵意や嫉妬、その他いろいろなものが、いまだ荒川にはつきまとわれている気がします。当人からしてみたら、言いがかり以上のなにものでもないんだけれど、「女子フィギュア界代表として櫻井クンの隣に座らせるなら真央チャン」的な怨念が漂っていると感じてしまうのは、ワタシだけでしょうか?

 結果、櫻井と荒川のコンビは、見ていても楽しいことが頭に浮かびにくくてつまらない。当人は2人ともきっちりやろうとはしているけれど、スタッフも含め、面白くやろう、楽しませようという気概は感じ取りにくくて、2人並んだ姿は「もう2月になったから、面倒くさいけど出さないとねぇ」と義務的に飾られた、お内裏様とお雛様みたいです。

 全般的な視聴率は好調な日テレですが、「24時間テレビ」とかプロ野球とか、局だの読売だのニッポンだのを背負うようなイベントとなると、「きっちりやらなきゃ」と硬直化してしまう癖があって、その悪癖は今回の五輪キャスターの人選にも現われています。

――そして、きっちりやろうという緊張感すら感じられないのがフジテレビ。元フィギュアの高橋大輔、オリンピック柔道史上初の3連覇の野村忠宏(43)、カトパンこと加藤綾子元フジアナウンサー(32)という3人。

 現地の平昌の屋内セットが、なんだか安普請に見えるのは、韓国に厳しいフジサンケイグループへの韓国の報復? それとも、ますます経費節減にうるさいフジだから? ──そういう嫌味を言いたくなるのは、フジが平昌五輪の中継で脱力しちゃっているように見えるからです。カーリング男子の中継で日本がイギリスに敗れたときも、現地のキャスターたちは淡々というか恬淡としていて、盛り上げようという気迫が薄い。

 いや、カーリングという知的で、しかも日本の男子チームがメダル候補にさえ擬(ぎ)せられてない種目を、冷静に公平に中継しようと務めた結果とも思えないんです。基本姿勢は「頑張れ! ニッポン」だし、カーリングのルールや醍醐味をきっちり伝えてくれたわけでもないし。

 キャスターの人選も、日テレのお雛様コンビより、さらにテキトー感が強くて、高橋大輔と野村忠宏。“大物界の小物が揃い踏み”という印象です。「柔道の野村がなぜ冬? なぜカーリング?」というツッコミを入れたいわけではありません。野村はカーリングについてかなり勉強していて、しっかり解説してくれていました。

 ただ彼は、“柔道の金メダリスト”という肩書とは結びつきにくい、高くて軽い声の持ち主で、カーリングについて能弁に語れば語るほど、自身の偉業から遠ざかっていく感じ。その点でキャスティングミスに感じられます。

 高橋も、フジのフィギュア中継ビジネス要員として起用されたんでしょうが、本業のはずのフィギュア解説でもトップ級ではないし、そもそも語りがユルいので、競技中継よりむしろバラエティ向き。でも、バラエティ的な演出をフジがやるわけでもないので、居場所がない感じで、見ていると彼ではなくフジに腹が立ってくる。

 カーリングの中継でも三田友梨佳アナ(30)は、高橋には中身のある話はほとんど振らず、それどころか試合開始前、番組のアタマで話しかけたときは、「勝ってほしいですね、大輔さん」と、いきなり大輔さん呼ばわり。フジという局が彼をどう見ているか、それが垣間見えてしまったようで、なんだか切なかった。

 三田アナもさすがにマズいと思ったのか、中継の終盤では呼びかけを「高橋さん」に変えましたが、イギリスに負けた日本についてコメントを求められた高橋が、「強豪相手にここまで戦えたということは自信につなげてほしいですけどね」と、また当たり障りのないことだけ。本当につまらない中継でした。

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