相撲協会“春日野理事長”誕生の可能性 隠されていた傷害事件、被害者父の怒り

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

協会の権力闘争

 春日野親方は相撲協会の理事で広報部長でもある。その足元で過去の傷害事件が発覚したのが、理事候補選の立候補者の受け付けが行われる約1週間前というタイミングだったため、「立候補見送りの可能性」と書いたスポーツ紙もあった。しかし、出羽海一門は1月26日に一門会を開き、予定通りに春日野親方が理事候補選に立候補することを確認したのである。

 理事選前、相撲評論家の中澤潔氏は次のように語っていた。

「春日野親方がこのタイミングで立候補すること自体、暴力問題について反省していない証左でしょう。そして、協会もまた、彼に立候補辞退を促すような動きはしなかった。これは要するに、春日野親方だけではなく、相撲界の大多数が今でも暴力を容認しているということです。また、現執行部が盤石であることの表れでもあります」

 結果、春日野親方は当選し、そして貴乃花親方は落選。この後に注目されるのは、誰が理事長になるのか、という点である。ちなみに理事長は、10人の理事の中から立候補者以外の投票によって、3月の春場所後に選ばれる予定だ。

「前回の理事長選と同様に2人が立候補した場合、残る8人の理事による投票となり、過半数の5票を獲得したほうの勝利となります。八角理事長が立候補したら、協会ナンバー2の尾車親方は支持に回るはずです。彼が属する二所ノ関一門は2人の理事を出しているので、2票が八角理事長に入る。そこに出羽海一門の3票が加われば、それだけで再選が決まります」(相撲ジャーナリスト)

 ただし、八角理事長が立候補を断念した場合、展開は一気に読めなくなる。

「その場合、尾車親方は自分が理事長選に出るでしょうし、その対抗馬としては、春日野親方が立候補する可能性もある。部屋で暴力問題が発覚したばかりですが、春日野親方は非常に出世欲が強いので十分にあり得ます」(同)

 貴乃花親方の有力タニマチが語る。

「度重なる不祥事について、親方は“想像を絶する”と言っていました。“こんなことばかり繰り返していたら、今後、公益財団法人の認定を取り消されるかもしれない。何とかしなくてはいけないと思っているんですが……”と話し、その後は沈黙していました」

週刊新潮 2018年2月8日号掲載

特集「『貴乃花』が本誌に吐露! 『貴ノ岩が落ち込んで落ち込んで……』」より

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。