「文在寅」に冷める韓国の若者 許せない南北合同の“ズル”

国際 韓国・北朝鮮

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「そんな人だったとは……」

 今まで文在寅(ムンジェイン)政権を支持してきた、韓国の若者の熱が急速に冷めている。

「これまで政権支持率は概ね70%前後。北朝鮮の五輪参加決定で一時は80%も窺う勢いでしたが、今や60%も切りかねない。中でも20〜30代の支持率が急落中です」(在ソウル記者)

 きっかけは、強引に女子アイスホッケーの南北合同チームを結成させたこと。

「しかしこれは、昨夏から北朝鮮の馬息嶺スキー場での合同練習などとともに、文政権幹部が北におもねってたびたび公言してきた構想。今になって騒ぐのがおかしな話でもあるのです」

 と、韓国事情に詳しい評論家の室谷克実氏は指摘。我々日本人にすれば、もとからあんな人だったが……。

「ところが韓国の若い世代は、じつは驚くほど北に関心がありません。つまり、文政権が従北だから支持したのではない。公務員採用枠の拡大や最低賃金の引き上げなどが若者に理解があると思わせた。それで文派(ムンパ)と呼ばれる熱心な支持層も形成したのです」(前出記者)

 就職率が依然低く、社会的にも抑圧を感じている若い世代。彼らは、朴槿恵前大統領の失脚劇が象徴するように、財閥などの“特権”に敏感に反応する。

「合同チームは、出場資格を実力で勝ち取ったわけでもない北の選手が、いわばズルで韓国選手を押しのける形。それが許せないのです」(同)

 評判を繕(つくろ)おうと、合同チームについて文政権は「(五輪成功のために)森を見て……」とアナウンス。だが、「お前たちが見ているのは木に過ぎない」と権威主義的に言ったも同然。大統領の物分かりの良いお父さん的イメージもこれで台無し。

 李洛淵(イナギョン)首相も「(韓国チームは)メダルを狙える位置にいない」と火に油。

 もっとも女子アイスホッケーの五輪参加はわずか8チーム。我らがスマイルジャパンを含めて全て世界ランキング10位以内。“開催国枠”の韓国以外は……。

 それ、特権じゃないの?

週刊新潮 2018年2月8日号掲載

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