金正恩の妻も在籍 北朝鮮「美女応援団」玉の輿ヒストリー

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 韓国・平昌五輪には、北朝鮮から230人の「美女応援団」が派遣される。メンバーの主な供給源となっているのは、平壌市にある芸術系の学校「金星(クムソン)学院」である。

 そこの卒業生で、一番の玉の輿に乗ったのは、最高指導者の金正恩朝鮮労働党委員長と結婚した李雪主(リソルジュ)夫人(28)なのは間違いない。

 北朝鮮はこれまでに3回にわたって、美女応援団を韓国に派遣し、大フィーバーを巻き起こした。2002年の釜山アジア競技大会、その翌年の大邱(テグ)ユニバーシアード、05年の仁川(インチョン)アジア陸上競技選手権大会である。

 李夫人は、その3回目のときのメンバー。当時15歳で、金星学院に通う女学生だったという。

 北朝鮮に詳しいジャーナリストによれば、

「彼女の父親は元空軍のパイロットで、母親は行政サービス機関の経理担当者だったと言われています。幼いときから歌手を目指し、金星学院に入学。声楽を学ぶために中国へ留学もした。でも、歌手として高い評価を得られていたわけではなかった。声量が足らず、独唱パートを任せてもらえなかったそうです」

 ところが、金正恩委員長に見初められ、09年に結婚したことが、歌手としても転機になったという。

「金正日総書記が肩入れする銀河水(ウナス)管弦楽団の所属歌手になることができたのです。しばらくすると、メイン歌手を務めるようになり、11年には正日を前に、その歌声を披露している。ですが、夫が最高指導者になったのに伴い、ファーストレディの仕事に専念するため、銀河水管弦楽団を辞めています」(同)

 他の金星学院のOGも、やはり玉の輿狙いが少なくないようである。

「コリア・レポート」の辺真一編集長が明かす。

「北朝鮮では、宣伝扇動活動は体制維持に重要な役割を担っています。そのため、金星学院は名門校の1つに数えられ、入学希望者は後を絶ちません。その学校を経て、名立たる芸術団に入れば、エリート層の前で演奏し、玉の輿に乗るチャンスを掴むことができるわけです」

 その相手として狙いを定めているのは誰なのか。

「支配階級である最高人民会議のメンバーを見ると、30代、40代の若手は数えるほどしかいません。一方、同じく支配階級の朝鮮人民軍でも肩章をつけた少将、中将、大将などの最高幹部クラスは、みな50代以上になっています。そこで、結婚相手の第一候補になっているのは、軍の若手将校です」

 北朝鮮では、運だけでセレブ妻にはなれないのだ。

週刊新潮 2018年2月1日号掲載

特集「『平昌五輪』の妖花 北朝鮮『美女応援団』に5つの謎」より

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