心ある大人がため息をつく… 安倍政権「働き方改革」のトホホな実態

政治週刊新潮 2018年2月1日号掲載

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心ある大人がため息をつく「働き方改革」(上)

 この国で「改革」と銘打ったプロジェクトがうまく行ったタメシはないが、今回もまたその轍を踏みそうである。安倍政権の目玉、「働き方改革」。それ自体はごもっともな「正論」であるが、では、実際の中身と言えば……。心ある大人がため息をつく、トホホな実態。

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「働き方改革」の“しょうもなさ”を実感したかったら、平日の夜8時頃、西新宿を訪れてみるのが最もわかりやすいだろう。

 例えば、1月中旬の金曜日、20時15分。そこに聳える都庁ビルに煌々と灯った明かりがひとつ、またひとつと消えていく。

「うちでは、小池都知事の旗振りで、昨年から『20時完全退庁』が推進されているんです」

 とは、さる都の職員。

「時間になると“20時になったので帰りましょう”とアナウンスが流れ、月に2回は、20時に消灯。それ以外の日も20時15分、30分、45分と15分毎に強制的に消灯されるのです」

 ところが、だ。

 そのまま見ていると、20時15分に暗くなったビルは、数秒も経たないうちに、パラ……パラパラ……電気が点けられ、10秒も経つと、元通りの煌々と明かりの灯る状態に。30分、45分も同様の光景が繰り返された。

「仕事が終わらないから一旦消された電気をすぐに点け、残業を始めている。都は慢性的に人材不足であるのに加えて、今はオリンピックの準備に人が割かれています。サービス残業もあり、ひどい例では、定時になると、ゲートに職員カードをかざしに行き、退庁したことにして、また机に戻るなんて職員もいます」(同)

 消灯は表面を装っているだけで、むしろ電気を点けに行くという無駄な仕事が増えただけ。季節外れの都庁「毎日イルミネーション」は、形式ばかりを取り繕い、中身が伴わない「改革」の実態を雄弁に物語っているのである。

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