7年前の不祥事を教訓にできない「オリンパス」の隠し事

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〈ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ〉。女優・宮崎あおいのCMでお馴染みの光学機器メーカー「オリンパス」が、来年創業100周年を迎える。7年前に“巨額粉飾決算”騒動から立ち直り、2017年3月期決算では最終利益782億円の過去最高益を記録した。一見、絶好調とも思えるが、実は大きな“闇”を抱えているという。

 昨年12月20日、オリンパスの社内に激震が走った。それは笹宏行社長(62)を初め、社員など約300人に“OSZ案件”とのタイトルで重大なメールが送られたからだった。そこには、

〈深センの件につき、人事部・コンプライアンス部・法務部で下記の通報をしましたのでシェアさせて頂きます。(中略)このような当職の行動を気が狂ったとお考え頂くか、それだけ本気だとお考え頂けるかはお任せ致します〉

“サラリーマン人生”を賭したかとも読める文面だが、メールの送り主はオリンパス法務部に所属し、弁護士資格を持つ社員だった。オリンパスの社員によれば、

「OSZは、中国広東省深セン市内にあるオリンパスの関連会社を指します。彼のメールは、中国税関当局からOSZが指摘された“問題”について、会社の対応を批判する内容でした」

 その問題とは、中国税関当局が06年5月にOSZが過去2年間で実際の在庫と税関の帳簿記録に差があると指摘したこと。実際の在庫が少なかったことで、OSZが税関に虚偽申告したと疑われたのである。

「OSZはこの問題を棚上げしていたが、14年に税関当局の帳簿電子化が始まることで、放置し続けると多額の罰金を科せられたり、入出国が制限される懸念があると判断しました。そこで14年に入り、現地のコンサルタント企業A社に協力を依頼したのです」(同)

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