名人「桐谷広人」が伝授 「死ぬまで株主優待生活」を送る術

ビジネス

  • ブックマーク

Advertisement

 「人生90年」の社会。リタイアからの25年間を夫婦2人で生きるとすると、いったいいくらの生活費が必要か。総務省「家計調査年報」のおおよその平均値である「月額28万円」で計算した場合、単純計算で8400万円が必要となるのだ。だが、その半額以下で、原資を目減りさせずに暮らしを送る術があるという。「株主優待生活」を謳歌する“名人”に訊いた。

 現在、3700社余りある上場企業のうち、実に1300社以上が、株式配当以外に自社製品や金券、サービス利用券などの「優待」を株主に提供している。

 カリスマ投資家として知られる将棋の桐谷広人七段(68)は、そうした優待株を800銘柄も保有しており、

「大企業なら定年の退職金が約2300万円、中小企業でも1300万円くらいにはなります。それまでの貯蓄と合わせて元手が3000万円だとして、定期預金に回しても今の低金利では3000円の利息にしかならず、税引き後に残るのはわずか2400円です」

 そう説きながら、

「株価が1万5000円前後だった3、4年前ならば、その3000万円を優待株に投資し、配当と合わせて150万円程度が手にできました。現在は株価も2万円を超えたため、持ち家の人でも優待だけで暮らすには最低4000万円は必要になると思われます」

 30年以上にわたり株式投資に携わってきた桐谷氏は一時期、資産総額が3億円に達した。が、棋士引退の翌年、リーマンショックに見舞われるなどし、5000万円にまで目減り。その時、方々から届く「優待」の有難味を知ったのだという。

次ページ:お米もクオカードも

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。