母は東大に行かせたい「藤井聡太」高校中退への棋譜

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羽生二冠は“投了”

 藤井四段より先に“中学生棋士”になったのは、加藤一二三九段(78)、谷川浩司九段(55)、羽生善治二冠(47)、渡辺明棋王(33)の4人。彼らを高校時代に苦しめたのが、出席日数だという。タイトル戦にも挑戦経験のある現役棋士によれば、

「対局数の少ない加藤先生の時代はともかく、谷川さんと渡辺さんは学校と対局スケジュールの調整に苦しめられていましたが、学校側の理解もあり、出席日数を満たして卒業しています」

 一方の羽生二冠は、地元八王子市内にある都立高校に進学したが、

「羽生さんは出席日数が足りずに“投了”し、中退に追い込まれて通信制への転入を余儀なくされました。愛知県に住む藤井君は対局で東京、大阪と移動しなければならないので、学校が“便宜を図る”といっても相当厳しいでしょう」(同)

 先輩たちを見ると、高校中退率は25%だが、中原誠・十六世名人はこうエールを送る。

「苦労は多いと思いますが、高校時代の基礎教育や友人関係は、必ず将棋にも役立ちます。対局で行き詰まった時、将棋以外のものにヒントを得られることが多いですからね」

 さて、藤井四段はこの難敵にどんな好手を指すのか。

週刊新潮 2018年1月4日・11日号掲載

ワイド特集「犬も歩けばドッグ・ファイト」

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