日馬富士はアイスピックを握りしめ… 協会が“抹殺”しようとした「貴乃花報告書」の驚くべき内容

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星の話を直感

 電話があったのは、暴行事件の9カ月ほど前、2017年1月20日の夜である。初場所の13日目が終わったところで、稀勢の里が1敗で単独首位。それを2敗の白鵬が追うという構図だった。そして、その白鵬の翌日の対戦相手こそ、初顔合わせの貴ノ岩だったのだ。しかもその日、稀勢の里が勝利し、白鵬が貴ノ岩に敗れると、稀勢の里の幕内初優勝が決まってしまう。すなわち、絶対に落とせない一番の前日夜、白鵬の側近は対戦相手の貴ノ岩に電話してきたのだ。

「白鵬の側近からの電話は何度も連続してかかってきた。しかし、貴ノ岩は、“どうせ翌日の星の話だろう”と直感し、電話に出なかった。そのことは当然、貴乃花親方にも報告しています」(先のタニマチ)

 結局、翌日、白鵬は貴ノ岩に対して屈辱の惨敗を喫した。そしてそれ以降、貴ノ岩が、

「俺はガチンコで横綱白鵬に勝った」

 と、周囲に吹聴するようになり、それが白鵬本人の耳にも入っていたことは本誌既報の通りである。

 今回の暴行事件と地下茎で繋がっている「白鵬との因縁」は、もう1つある。

「事件は鳥取巡業中に起こったが、その前に貴乃花親方は巡業部長として白鵬に直接、“巡業中の集まりは禁ずる”と通達していた」

 と、タニマチは明かす。

「親方は常々力士たち、特にモンゴル会の力士たちの夜の街での振る舞いについて問題視しており、理事会で意見したこともあった。しかし協会執行部が本気で取り組もうとしないので、モンゴル会のトップである白鵬に直接説教したのです。白鵬は“分かりました。心得ています”という様子だったようですが、夜遊びを禁じられ、本音としては睨み返したい気持ちだったでしょうね」

 貴乃花親方がこうした「新事実」をタニマチに明かした翌日行われた臨時理事会で、協会執行部は驚くべき行動に出た。貴乃花親方が事前に提出していた「事情説明」と題する報告書を“無視”しようとしたのである。

「貴乃花親方の報告書の上に、協会が作成した最終報告書が重ねて置かれていました。理事会は協会の危機管理委員会の高野利雄委員長が最終報告書を読み上げる形で進んでいきましたが、それが終盤にさしかかったところでようやく貴乃花親方の報告書に気付いた出席者が多かったようですね」(相撲協会関係者)

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