詐欺容疑で逮捕「スパコン社長」事業に公金100億円 融資の背景に疑問の声

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安倍・麻生ベッタリ記者の「欠陥スパコン」に公金100億円!!(下)

 12月5日、東京地検特捜部が助成金詐欺容疑で「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」創業社長の齊藤元章容疑者(49)を逮捕した。

「2010年1月に設立されたペジーは僅か半年後には、経産省の外郭団体から、およそ1億100万円の助成金受給が決まりました。審査が極めて厳しいことで知られるその団体がその後もカネを入れていた点に、首を傾げる関係者は少なくないですね」

 とは、司法担当記者の証言。国からの助成金と融資を合わせた額は100億円を超えるが、そのスパコンの実用性については疑問の声が上がる。そして齊藤社長の交友録には、麻生太郎財務相や山口敬之元TBSワシントン支局長(51)の名が。麻生財務相は国会内外でペジーを持ち上げる発言を重ね、またペジー顧問に就任した山口氏については「主導して出資者を決めてきたこともあった。10億円は超えていたとか」(霞が関関係者)というのだ。

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「そもそも……」

 と、スパコン事情に明るい技術者は業界の実態をこう論難する。

「利権体質とでも言いましょうか。“中国に負けるな”とか“2番じゃダメ”という言葉が錦の御旗になり、齊藤みたいな『助成金マフィア』がはびこった。スパコンがいわば神聖化し、アンタッチャブルになったというのが今回の詐欺事件の根っこにあると思うんです」

 以下は、その“聖域意識”に搦め捕られでもしたかのような話である。

 国から出た100億超のうち約60億円は科学技術振興機構(JST)が融資を決定したものだ。ここは文科省の外郭団体である。融資の経緯を当のJSTに聞くと、

「昨年8月2日に閣議決定された『未来への投資を実現する経済対策』の趣旨に則ったものです。緊急募集分は10月25日に締切り、その上で、翌日以降も通常募集として公募を継続しております」

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