「エゴマ油」+「脳トレ」で脳機能アップ 日本一の百寿者エリアの愛用者

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「週刊新潮」11月30日号でお伝えした通り、山間に位置する邑智(おおち)郡川本町は、「畑の青魚」と讃えられるエゴマの一大産地である。実は、エゴマ油と脳トレを組み合わせると、脳機能アップまで見込めるという。「県下一の百寿者率」を誇る同町で、愛用者に聞いてみると――。

 県庁所在地の松江市から南西に70キロ余り。人口3300人余りの川本町は、市町村別の「百寿者率」が10万人あたり326・89人と、堂々の県内トップ。隣接する2位の美郷町、3位の邑南(おおなん)町とともに“百寿の里”を形成しているのだ。

 当地では、食べると寿命が延びるとされ「じゅうねん」の異名を持つエゴマ栽培が盛んである。15年前、町で初めて手掛けた竹下禎彦さんに聞くと、

「エゴマ1キロあたり大体300〜350グラムの油がとれますが、その成分の6割が、血液をサラサラにする働きのあるα-リノレン酸です。また、地元でお茶として飲まれているエゴマの葉にはポリフェノールが含まれており、強い抗酸化作用があることから、肌荒れやがん予防に良いとされています」

 そのエゴマ油を用いて認知症予防に関わる調査を行った、島根大学医学部の橋本道男特任教授が言う。

「2015年秋から、県内の65〜90歳の健常在宅高齢者158人を、4つの群に分けて調査しました。それぞれ『何もしない』『毎日7ミリリットル(α-リノレン酸4グラム相当)のエゴマ油を摂る』『計算やパズルなど毎日10分の脳トレをこなす』そして『エゴマ油を摂って脳トレもする』の4つです」

 すると12カ月後、

「両方行った群だけでなく、エゴマ油単体や脳トレ単体の群でも、何もしない群に比べ、認知機能の向上において有意差が見られると認められました。前頭葉の機能のうち記憶力や思考力などの分野で、エゴマ油による機能改善の効果があるとの結論が得られたわけです」(同)

 これに先立ち橋本特任教授は、別の調査で次のような結果も得ていた。

「川本町と浜田市の30〜80代の男女40人に、13年秋から10カ月間、やはり毎日7ミリリットルのエゴマ油を摂ってもらいました。すると、3カ月後には血中のα-リノレン酸が増加。同じオメガ3脂肪酸のEPAやDHA、そして善玉コレステロール値の増加もみられたのです」(同)

 総合内科医の秋津壽男医師が言う。

「オメガ3はイワシやアジ、サンマなどの青魚のほか、島根県産のノドグロにも豊富に含まれています。血管内にプラークができるのを防ぎ、できてしまったプラークを小さくする働きもある。結果、動脈硬化の進行を妨げ、心筋梗塞や脳梗塞などの予防に繋がります。また血流が良くなり、体の隅々にまで血液が行き渡って末梢血管を拡張する作用があるので、冷え症の改善にも有効です」

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