“金星ばら撒き”でも手放せない相撲協会 「稀勢の里」再生法は

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 19年ぶりの日本出身横綱、大ピンチ――。

 稀勢の里関(31)である。横綱になった三月場所で優勝したものの左肩を負傷し、五月、七月を途中休場。九月場所ではついに全休。

 そして迎えた十一月場所、中日を過ぎて4勝5敗で迎えた10日目で休場。

 運動部記者が嘆く。

「秋場所後の巡業では、横綱は“調子はいいよ”と記者たちにも答えていました。久々にとても明るい横綱を見ることができ、“次こそいけるのでは”と我々も期待していたのですが……」

 ところが、である。本場所を迎える直前になって、

「稽古をちょくちょく休むようになってしまったのです。やっぱりまだ完全回復ではないのかと、不安が広がりましたね」(同)

 結果、横綱にあるまじき超低空飛行となってしまった。

「どの取組を見ても、左肩を庇うような相撲しか取れておらず、完全に精彩を欠いています。このままでは、品格と群を抜いた力量が求められる横綱を務められない」(同)

 もっとも、

「引退されたら困るのは当の相撲協会ですから、温情に温情を重ねて延命を図るでしょう」

 とは、協会関係者。

「稀勢の里人気のおかげで21年ぶりに、年6場所90日間全てで大入りとなったんですよ」

 さらに、

「日馬富士の暴行事件のせいで、この先、相撲人気がどうなるかわからない。そうした中、協会は稀勢を手放すなんてできません」(同)

 復活への道筋はというと、

「無理せず、とにかく怪我を完全に治すことです」(同)

 とした上で、

「左からの攻め手が彼の持ち味でしたが、怪我をした今、それに固執せず、右の上手を取りにいくスタイルに転換する。横綱を続けるには、これしかない」(同)

 活路を見出せるか。

週刊新潮 2017年11月30日掲載

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