都立高受験生の「内申点」、“職人タイプ”よりも“ゼネラリスト”が人気のワケ

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親は子供に「先生には逆らうな」

 都教委に取材を依頼すると、「少なくとも理論上は、あり得ないケースではありません」と回答する。中間・期末のテストだけでなく、授業中の態度やノートの取り方、勉強に対する意欲という点なども評価の対象に入っているためだ。

「国語を例に取ります。文章の読解力は中間、期末のペーパーテストで理解度を図ることはできます。ただ、論理的に発言する能力を見るには、実際の発言を聞く必要があります。ペーパーテストには向きません」(都教委)

 確かに正論だろう。しかし生徒や保護者にとっては、別の受け止め方も可能になってくる。前出のジャーナリストが言う。

「テストという一発勝負に弱い生徒さんもいるでしょうから、日頃の授業態度も重視するという理念は分かります。しかしテストは『恨みっこなし』の分かりやすさと公平性があります。対してノートの取り方に優劣をつけるのは分かりにくい。多かれ少なかれ、受験生も親も『教師にゴマをする生徒のほうが評価されるのではないか』という疑念を抱いている。判断基準がブラックボックス化しているわけです。でも誰も文句は言わない。内申点を人質に取られているようなものですから、むしろ親は子供に『先生には絶対に逆らうな』とアドバイスすることも珍しくないようです」

 東京都の中学校は相対評価ではなく絶対評価だ。理論上は優等生の全員がオール5でも問題ないはずなのだが、実際は違う。このあたりの「教師のさじ加減」に疑問を抱かれているわけだ。

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