なぜか「瑛太」主演映画が3本同時公開中――キーワードは「30代半ば」

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使いやすくて、他にいない30代半ば

 では瑛太を奪われた他の映画はどうしたかと言えば、

「『リングサイド・ストーリー』はヒモ同然の売れない役者(瑛太)がプロレスで輝き出すという映画なので、公開直前イベントには亀田3兄弟を呼んだり、『(自称)役者割引キャンペーン』と称して、要はSNSで広めてくれれば料金は1000円というキャンペーンを張ったりしていましたね。『光』のほうは、三浦しをん原作に大森(立嗣)監督、そして瑛太という映画『まほろ駅前多田便利軒』からの組合せです。クオリティ勝負で、固定ファンは来ると踏んでいるのか、特に目新しいことはしていませんね」

 では、これらの瑛太作品3本、どれが面白いのだろうか。映画評論家の北川れい子氏に聞くと、

「私は『リングサイド・ストーリー』が一番面白かった。瑛太の図々しくても可愛らしさのあるヒモっぷりがいいし、それを養っている佐藤江梨子がいい。『光』は全体に暗い映画だから娯楽性の高い作品ではないけれど、ここでは瑛太の頼りない怖さが引き出されている。『ミックス。』は寂れた卓球クラブをガッキーと盛り上げていくという当たり障りのないストーリー。瑛太の役どころは落ちぶれた元ボクサー……あら、何だか似通ってるわね。瑛太は、今売り出し中の菅田将暉(24)や松坂桃李(29)などより、ちょっと年上の30代半ば。この世代はあまりいい役者がいないし、アクが強くないから、使いやすいところがあるんでしょうね。だからこんなに重なっているんじゃないかしら」

 映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、

「瑛太は映画へのこだわりの強い役者です。もうすぐ公開される『光』の大森監督はクセのある問題作を撮りますが、そうした姿勢に瑛太も共感しているんから、『まほろ駅前~』に続いて出ているんでしょう。単館系の作品にも意欲的に出演する一方で、『ミックス。』のようなヒットを期待された作品にも対応できる。色んな顔が出せるいい役者だと思います」

 こうした高評価が、立て続けの出演に繋がっているようだ。

週刊新潮WEB取材班

2017年11月27日掲載

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