刑務所内での極秘育児! おばちゃんたちの勇気とお節介が満載『監獄のお姫さま』第5話

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 あるイケメン社長へのリベンジを企むワケアリの女たちを描く『監獄のお姫さま』。物語は女たちが大企業の社長である板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐、監禁した2017年のクリスマス・イヴと、彼女たちが出会った2012年の女子刑務所内でのシーンを行き来して進む。

 脚本は宮藤官九郎。元女囚たちを演じるのは小泉今日子、満島ひかり、菅野美穂、坂井真紀、森下愛子、夏帆という、豪華な美女たちが勢揃いだ。物語も中盤に差し掛かり、キャラクターたちの過去も徐々に明かされて、一気に面白みが増している。

 第5話は、2012年当時、恋人だった板橋に陥れられて刑務所に収監された江戸川しのぶ(夏帆)が無事に息子を産み、1歳半で息子を手放すまでの物語が描かれた。しのぶの息子の名は「勇介」。「みなさんたちの勇気とお節介で勇介が産まれるから」と、しのぶは大きなおなかを撫でながら先週の放送で微笑んでいた。

 馬場カヨ(小泉今日子)、勝田千夏(菅野美穂)たちは、しのぶを助け、特例で認められることになった獄中での育児に奮闘する。女子刑務所のメンバーが一丸となって取り組んだ勇介の育児。その思い出を、監禁した板橋の前で元女囚たちは語る。彼女たちの目的は、しのぶの冤罪を晴らすだけでなく、勇介をしのぶのもとに返してやりたいということでもあったのだ。

 ところで、板橋の監禁されている場所には検事の長谷川信彦(塚本高史)も同席している(なぜか元女囚たちによって柱に縛り付けられているが)。姫の再審を要求する女たちに、長谷川は、再審請求は年に2件ほどしか通らない、非常に険しい道だと説明する。

 これは筆者が法学部の1年生の最初の授業で習ったことだが、現在の日本の刑事裁判では、起訴されると99%が有罪になるという。つまり起訴されてしまった時点で、無罪を勝ち取るのは非常に難しい。その上で、長谷川の言うように再審請求で無罪になるためには、決定的な新しい証拠を出さなければならない。その難しさがこれから、全編に散りばめられたギャグと緻密な構成の合間でどのように決着していくのか見ものである。

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