「結婚しているけれど、恋人がいます」という新しい家族の形

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 芸能人の不倫がバッシングされながら、最高視聴率が16.7%と高かった「昼顔」や「あなたのことはそれほど」など不倫ドラマはヒット。2016年に実施された「第8回 男女の生活と意識に関する調査」(16年10月から11月にかけて全国の16~49歳の男女3000人(未婚者含む)を対象に実施し、1263人から回答)では、既婚者(655人)のうち47.2%がセックスレスという日本の夫婦の現状も浮き彫りになった。「幸せな結婚生活」とは何かが見えにくくなっているこの時代、「結婚しているけど恋人がいます」という状態を夫や妻が公認する「公認不倫」という形を選ぶ夫婦が話題だ。写真家の植本一子さんもその一人。2016年に刊行され大きな話題を呼んだエッセイ『かなわない』で、夫に好きな人がいると伝えた上で夫婦関係を続けていたと綴っている。

 都内に住むSさんも同様、公認不倫の夫婦だ。妻に夫公認の恋人がいる。Sさんは結婚5年目で4歳の子供がいるママ。子供が生まれてから夫とはセックスレス、でも父親としては尊敬しているから夫と離婚するつもりはない。それは夫公認の恋人がいることも大きいという。

「好きな人がいる、その好きな人と関係を続けさせて欲しい、と夫に正直な気持ちを伝えました。それに対し夫はストレス解消になるなら、私が元気になるなら好きな人と関係を続けていいと言ってくれました」とSさん。「頻繁ではないですが、事前に会う日を夫に伝えその間子供をみていてもらう約束をします」とSさんは続ける。

 公認不倫になってから、夫婦喧嘩がなくなったという。「夫に感謝しているのでうるさいことを言わなくなったし、イライラもなくなりました」。夫も元から離婚するつもりはないみたいで、「俺たちにはこういう形があっているね」と言っています。

 このような公認不倫を描いた漫画「1122(いいふうふ)」(渡辺ペコ・著)も話題だ。主人公は30代半ばで、結婚7年目の仲良し夫婦。子供なし。しばらくセックスレスが続いていた2人が選択したのは、「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。夫は妻公認で外に子持ち既婚者の恋人がいる。

 うまくいかないけれど夫婦関係は維持したくて、愛情あっての試行錯誤の故の解決策として肯定的に公認不倫が描かれている。「婚外恋愛許可制」をとる2人だが、恋に夢中になってウキウキしているパートナーに心が波立つことも。恋愛よりも信頼を優先しているとはいっても、なかにはスッキリと割り切れない場面も出てきて、こらからの展開にも目が離せない。

 長い結婚生活、このような公認不倫夫婦のようないろんな時期があってもいいのかも。新しい家族の形が広がることで、楽になる人もいるかもしれない。

デイリー新潮編集部

2017年11月17日掲載

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