「山尾志桜里」がのたまう「女性・女系天皇」実現への違和感

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天皇制の否定

「もちろん、天皇をはじめ皇族の方々も、健康で文化的な最低限度の生活など、我々国民と同じく様々な権利が認められています」

 とは、同じく先の会議で意見を述べた憲法学者で麗澤大学の八木秀次教授だ。

「その上で、山尾さんが〈皇室女性の人権〉と限定している狙いは、天皇制を成り立たせる男系継承の原理を変更させたいのでしょう。けれど、神武天皇から脈々と続いてきた男系継承のルールを変えたら、歴史の長さによる重みが失われ、国民の心も離れてしまう懸念がある。山尾さんはにわか知識しかないので、男系継承の原理が天皇制にどれだけ重要か分かっていないのではないでしょうか」

 さらに、女系天皇を容認する重鎮で、小泉・野田両内閣に請われて女性宮家創設について議論した元最高裁判事の園部逸夫氏も手厳しい。

「私も女性宮家の問題に長く取り組んできましたが、その中で人権といった言葉は聞いたことがない。皇室を巡る政策的な議論に、人権を持ち出す必要はないし、皇族の方々と我々国民の人権が異なるのは自明のこと。人権の問題を持ち出したら、天皇制そのものが否定されてしまい兼ねません」

 これらについて山尾氏ご本人に尋ねたが、締め切りまでに回答はなかった。

 真の「政治家」への道はまだまだ遠いようで――。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

ワイド特集「ざんねんなにんげん事典」より

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