陰謀論は不滅… トランプが公開を渋った「JFK文書」の肝心要

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「とっても面白いぞ」

〈JFKファイル〉公開前日の10月25日まで、トランプ大統領はツイッターで期待をあおっていた。

「これは全面公開だろうと思ったら、当日になって300件ほどは非公開。CIAのポンぺオ長官が必死に大統領を説得したと見られています」(外信部記者)

 1963年の事件当時から陰謀説のあったジョン・F・ケネディー暗殺事件。だが、オズワルドの単独犯行を覆す証拠は、今回公開の約2900件にもやはりない。

「英国の地方紙へ暗殺25分前に事件を示唆する電話があった、とする英MI5提供の情報を記したFBI文書など、初出のものはわずか。大半はすでに同種の文書が公開されているのです」(同)

 未公開分は、180日の検討期間を置くとは言っているが、収まらないのが、今でも陰謀説を信じているという約6割の米国民だ。

「でも、すべてが公開されたところで、陰謀説は絶対に無くなりませんよ」

 と言うのは、CIAなどの機密ファイルに取材した著書も多い国際ジャーナリストの春名幹男氏。

「結局その根にあるのは、オズワルドという共産主義者崩れ1人の犯行で偉大なJFKが死んだとは納得できない、という感情なのです」

 陰謀説とは別に、記者や歴史家などが注目していたのは、オズワルドが犯行2カ月前にメキシコシティで旧ソ連やキューバの大使館員と接触したその詳細だ。

「情報源保護の他に、情報収集手法の秘匿も非公開の理由でしょう。ただ、監視下にあったオズワルドの犯行をなぜ阻止できなかったのか、組織としての失敗が明らかになるのを避けようとしている可能性も低くはありません」(同)

 ロシア疑惑もあって、じつは情報機関としっくりいっていない大統領。「恩を売るのもいいか」と、珍しく忖度したのだろうか。

週刊新潮 2017年11月9日神帰月増大号掲載