浅丘ルリ子、“近未来舞台劇”で85歳未亡人に 7日から

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 9月に終了したテレビドラマ「やすらぎの郷(さと)」では元夫の石坂浩二さんと共演し、大いに話題となった浅丘ルリ子さん、今度は新国立劇場での舞台に臨む。挑むのは、アメリカの新進劇作家ジョーダン・ハリソン作「プライムたちの夜」なる近未来劇だ。上演は11月7日から。1日2公演の日もあり、26日まで全24公演のタフな舞台となる。

 この物語、時代は21世紀半ば。人の姿のみならず、人格や意思を「プライム」と呼ばれるアンドロイドに移し替えるのが可能となり、愛する人の死後も一緒に生活できる社会という設定。浅丘が演じるのは、85歳の未亡人。本人は喜寿を迎えたばかりだから、8歳ほど背伸びすることになる。

「舞台に立たれるのは、久しぶりではないでしょうか。しかも今回は、自分より歳上の役、最新の米国からの翻訳戯曲、たいへんな挑戦だと思います。テレビや映画なら編集が可能です。でも舞台では生身を全て晒して演じなければなりません。ただ中原淳一の絵に出てくる“この世にあらぬ人”のような浅丘さん独特の存在感で、認知症を思わせる役柄もきっと違和感なく可愛らしく演じられると思います」

 そう語るのは、演劇評論家の萩尾瞳氏。

 また今回の舞台、テレビとは一味違う浅丘の魅力を期待する声も。上智大学教授(メディア文化論)・碓井広義氏は次のように話す。

「浅丘さんの本来の魅力は、『やすらぎの郷』より大河ドラマ『直虎』での寿桂尼(じゅけいに)役に出ていたように思います。尼さんながら直虎に政治を語ってしまう。画面に出てくるだけで凄みを感じました。あの迫力はどんな女優さんでも真似できないでしょう。その上、今度は舞台で、記憶の薄れゆく高齢の役を演じるというのですから、どれだけの凄みに踏み込んでいかれるのか……。見てはいけないものを見てしまう気分です」

 もはや怖いものなしの大女優の新たな挑戦。痩身38キロの華奢な彼女が、さらにひと皮むけると、さて……。

週刊新潮 2017年11月9日神帰月増大号掲載

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