DeNA「日本シリーズ出場」で神奈川県警が恐れる「98年の“悪夢”」

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動画でも大騒動が収録

 狂乱の一夜は映像でも貴重な記録として残されている。YOUTUBEには「ベイスターズの日本一が決まった夜の横浜スタジアム周辺」という動画がアップされている。
https://www.youtube.com/watch?v=bh0JKZCWooc

 再生すると、低速運転の車はクラクションを暴走族の「コール」風に鳴らしまくり、上半身裸の男が電柱によじ登ったり、別の男が駐車場の案内板のてっぺんに陣取ったりと、やりたい放題の狼藉を繰り広げている。県警幹部が、当時の様子をぼやく。

「シーズンや日本シリーズでは機動隊を横浜スタジアムに貼り付けましたし、当時はダフ屋摘発が大変でした。日本一になっても記念セールなどで全国からスリが殺到し、福岡の常習犯を逮捕したりしています。横浜市に限らず、神奈川県全体が異常な過熱状態になりましたから、それに対応していくのが大変だったんです」

今回、横浜スタジアムで開催されるのは、第3戦,第4戦、第5戦の予定だ。日程としては10月31日から11月2日の3日間となっている。

「たとえDeNAが全敗で終わったとしても、地元では2試合が戦われるわけです。ところが間の悪いことに11月5日から7日までトランプ米大統領が来日します。県内には横須賀、厚木、座間など、米軍基地関連の施設が10以上あり、テロ対策でも既に人手が足りない状態なんです。県警にもDeNAファンは少なくなく、誰もが喜んでいるのは事実です。とはいっても仕事のことが頭をよぎり、手放しで浮かれるわけにはいかないのが辛いところです」(同)

 毎日新聞は2004年8月、神奈川県版の記事として「主要都市・年間支出額データ比較 横浜市、洋服は堂々の1位」を掲載している。ファッションや食事、教養に費やす金額は全国のトップ水準というデータから、横浜市は「おしゃれで進取の気風に富む『ハマッ子』の姿が浮き彫りになったのでは」と分析したそうだ。

 歓喜の下剋上優勝で「暴徒」と化すことは、当然ながら「おしゃれ」の真逆だ。もし今年、DeNAが98年以来となる日本一を達成した時、神奈川県民の「民度」が試されることになる。

週刊新潮WEB取材班

2017年10月29日掲載

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