U-23初陣に暗雲? 薄給でも五輪監督を選んだ“愛国のドーハ戦士”

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 1968年メキシコ五輪以来52年ぶりの表彰台へ――2020年東京五輪に出場するサッカーU-23日本代表の監督に森保一氏(49)の就任が決まった。

「12年からサンフレッチェ広島の監督を務め、12年、13年、15年とチームを3度リーグ優勝に導いた。国内では抜群の実績を誇る指導者です」

 とスポーツ紙サッカー担当記者が語る。

 森保氏といえば、現役時代は守備的MFとして主に広島で活躍。日本代表にも選ばれ、1993年の“ドーハの悲劇”の瞬間にはピッチに立っていた。04年に引退後は、U-19、20の代表コーチを務めている。

「実は、実績十分の森保さんにはJ1の複数のチームから監督就任のラブコールがありました。関西のあるチームは年俸9000万円でオファーしていました。一方、U-23監督の年俸は4000万円ほど。契約は3年ですから、彼は約1億5000万円を反故にして、“お国のために尽くす”道を選んだことになります」

 そんな“愛国のドーハ戦士”が指揮を執る“五輪世代”とは、今のU-20代表。5月、韓国で開催された「U-20W杯」でイタリア代表と引き分けるなど世界を瞠目させた、前途有望なチームである。ところが、

「早くも、彼の初陣に暗雲が垂れ込めてまして……」

 どういうことか。

「12月9日、タイで開催される6カ国招待大会での対北朝鮮戦が初陣なのですが、この日、ハリルホジッチ監督率いるA代表も試合が組まれているんです」

 東京で行われる東アジア選手権である。奇しくも、この日にA代表が対戦する相手も北朝鮮だ。

「この大会は、おなじみの欧州組が招集されません。世代交代を推し進めるハリル監督は、ここで若手を積極的に試すつもり。U-23からも、大量に引き抜くことはないにしても、主力級を2、3人つまみ食いする可能性があります」

 もちろん18年ロシアW杯も大事だけど……。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

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