政府発表の「4%成長」実は「マイナス9・9%」? アベノミクスの実際の成果は…

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内閣支持率も回復

 実際、これは民間エコノミスト予測の平均値2・24%を大きく上回っただけでなく、米国の2・6%、ドイツの2・4%をも上回ってG7でもトップの数値である。

 もちろん、世界中もびっくりだ。

 IMFの見通しでは、2017年の先進国平均で2%、新興国平均が4・5%だったから、日本の「4%」成長は新興国にせまる勢いである。

 日銀の黒田総裁、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長、欧州中央銀行のドラギ総裁など、各国の中央銀行トップが一堂に会するジャクソンホール会議(8月24日〜26日)で日本の成長力を絶賛する声が相次いだのも当然のことだった。

 なにより、「4%」成長のニュースは安倍政権にとって大きなプラスをもたらした。

 今年の7〜8月を思い出して欲しい。相次ぐ議員のスキャンダルに森友・加計問題が重なり、内閣支持率が20%台に急落。都議選の歴史的大敗もあって安倍政権は最大のピンチともいえる時期だった。

 そこへ、「4%」成長のニュースが飛び込んできたものだから、まさに「干天の慈雨」。いろいろ問題はあるけれど、経済のかじ取りはうまく行っていると受け取った国民もいたに違いない。その後、内閣支持率が回復したのは、ご存じの通りだ。

 が、この数字を見て、首をひねった読者もいたに違いない。私もそうである。なぜなら、「4%」成長のニュースと裏腹に、足元のデータはお寒いものばかりだったからだ。

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