政府発表の「4%成長」実は「マイナス9・9%」? アベノミクスの実際の成果は…

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政府発表「GDP4%成長」実は「マイナス9・9%」のカラクリ――田代秀敏(上)

 サジ加減ひとつで、どうにでもなる中国の統計みたいではないか。先ごろ内閣府が発表したGDP「4%」成長のニュースは、ひと月も経たないうちに4割近くも下方修正する体たらくであった。それどころか実際は、「マイナス9・9%」という数値も出ていたのである。

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 9月25日、衆院解散の記者会見で、安倍総理が最初に切り出したのは「アベノミクス」の成果についてだった。

〈アベノミクス三本の矢を放つことで日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました。

 今、日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長。内需主導の力強い経済成長が実現しています〉

 国民に信を問うその場で、一番うまくいった政策がアベノミクスだと強調したのである。

 これに先立つ1カ月あまり前、

〈GDP実質4・0%増〉

 というニュース(8月14日)が日本中の新聞紙面を飾ったのをおぼえているだろうか。今年4〜6月期のGDPが、年率にして「4・0%」(速報値)も成長したというものだ。

 後にこれが内閣府による「打ち上げ花火」だったことが分かるのだが、アベノミクスはやはりホンモノだったのか、と私はニュースに目が釘付けになってしまった。

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