「ワンピース」骨折代役 尾上右近は“2000円安”

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 大ヒット漫画を歌舞伎化した「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」(東京・新橋演舞場)が、市川猿之助(41)を欠いたまま上演中。

「10月9日の公演終了直後、床下へ降りる“せり”に乗った猿之助の左袖が昇降装置に巻きこまれ、左腕の複数箇所を骨折。骨が皮膚を突き破る開放骨折もあったといいますから、完治には時間がかかる」(芸能記者)

 だが、松竹の対応は早かった。翌10日からは、尾上右近(25)を主人公ルフィの代演に立てたのだ。歌舞伎評論家の児玉竜一氏は、

「歌舞伎に代演はよくあることですが、古典と違って、スーパー歌舞伎のような作品では難しいでしょう。もっとも、右近さんは若手の実力派ナンバー1だからこそ、猿之助さんも若手による番外編『麦わらの挑戦』では主役のルフィを演じさせたのでしょう。急遽の代演にもそれが幸いしました。ただ、料金を割引するのは聞いたことがない」

 猿之助の降板によって、松竹は払い戻しはしない代わりに、割引として差額の返金を発表したのだ。たとえば1万6500円の1等席や1万7500円の桟敷席を2000円引き、9500円の2等A席を1000円引きといった具合だ。

「弊社としても例がないと思います」

 とは新橋演舞場。ならば差額は猿之助と右近との役者としての差なのか?

「猿之助さんは猿翁さんが作りあげたスーパー歌舞伎を踏襲し、新たな世界を作りあげる立場でもありますから、右近さんとのキャリアの差はあります。ただし、今回の差額というのは、若手の回である『麦わらの挑戦』(7公演)と同じ金額に合わせたためなんです」(同)

 元々の料金が高いというのは前出の児玉氏だ。

「歌舞伎になった『ワンピース』を観てみたいというのは学生に多いでしょうから、学生料金を設定し、歌舞伎に馴染んでもらい、出世払いに期待した方がいい」

 松竹は中間決算で、売上高(約494億円)が歴代1位になったことを発表したばかり。もっと将来を見すえてもいいかも。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

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