女子学生を「洗脳」して「不倫」強要 「ムスリム教授」に慶応大が下した大甘処分

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“奪還劇”も

 被害に遭ったのは湘南藤沢キャンパス(SFC)に通う2年生の斉藤菜穂さん(21)=仮名=。事のあらましは、菜穂さんの両親の話を要約すると、こうだ。

 昨春、慶応大に入学した菜穂さんは、アラビア語など奥田元教授の授業を選択し、奥田研究会(ゼミ)にも所属した。すると奥田氏からLINEが頻繁に届くようになり、奥田氏の指示でサークルも辞め、恋人とも別れる一方、「研究室に泊まる」ことも増えた。家族を恨む発言も増え、今年2月には奥田氏と2人で1週間、沖縄に「研修」に出かけた。

 さすがに両親は大学に相談。奥田氏は注意されたはずだが、なにも改善されない。両親がやむなく探偵に頼むと、菜穂さんは奥田氏のマンションに入り浸っていた。また、菜穂さんのメモには「死ぬのが怖くなくなってきた」「世界征服もできそう」など、物騒な文言が増える。両親は奥田氏を問いつめたが、奥田氏は「御嬢さんは重度の精神病なので、相談に乗っている」と言い放ったという。

 慶応大は「調査委員会」を立ち上げたと言いながら、一向に結論を出さないまま、夏休みに奥田氏主催の「ヨルダン研修」へ菜穂さんが参加することを許可してしまう。放置できないと判断した両親は8月、奥田氏の部屋に踏み込み、泣きわめく奥田氏を抑え、奥の部屋で描写をはばかられる姿で震えていた菜穂さんを保護したのだ。

「交際」中、奥田氏の指示で、思い出の品を軒並み捨て、友人関係も切り捨てるように説かれてきた菜穂さん。「洗脳」が解けるまでに時間が必要なようだが、問題は、奥田氏がこうした蛮行を長年にわたって繰り返してきたのに、慶応大が目をつぶってきたことだ。

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