渡辺直美が愛される理由 「ポップな存在感」で世界進出

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「日本だけの枠に収まらない存在」

 とはいえ、若年・青年層の支持は圧倒的であり、手ひどい醜聞など、よほどのことがない限り、渡辺直美の人気は持続すると見ていいだろう。87年10月生れの29歳。いよいよ今年は30代となり、「中堅の実力」や「成熟」が求められていく。

「これまでにも渡辺直美は、その都度、自分が属する世代の新たな女性像を提示してきました。今後も、同じ存在として活躍が続くのだと思います。そして30歳、35歳、40歳と進むに連れ、テレビだけの存在に収まる感じではない印象があります。日本だけに収まる存在でもない。きっちり枠の中に収まるのではなく、むしろ枠を壊していく先駆者になるのではないでしょうか」

 僅か数カ月とはいえ、多忙な時期に時間を捻出して留学したほどだから、海外志向が強くても不思議はない。昨年はニューヨーク、ロサンゼルス、そして母親の母国である台湾で“ワールドツアー”を敢行。今年10月はカジノリゾート運営会社である米ラスベガス・サンズの「東京パーティー」でステージを務めて話題となり、ファッション誌「VOGUE」の公式YouTubeチャンネルではメイク動画が公開されると、海外からも絶賛の声が寄せられた。

 戸部田氏が指摘する「一度見たら忘れられないポップな存在感」や「ゆるキャラ的な可愛らしさ」は理屈抜きの魅力だ。おまけにネタはダンス、つまり一種の形態模写だから、これも言葉の壁をやすやすと越えることができる。

 お笑い界の巨人・ビートたけしも、名実共に「世界のキタノ」となったのは映画監督・北野武として97年、「HANA-BI」がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したからだ。コメディアンとして人気を博したわけではない。また演技力は高く評価され、俳優として国内の映画賞は受賞しているが、海外ではゼロだ。

 ビートたけしでもなし遂げられなかったコメディアンとしての全米進出、もしくは女優としてアカデミー賞受賞といったシナリオも、今の渡辺直美の勢いを見るに、絵空事と笑うことはできないだろう。

週刊新潮WEB取材班

2017年10月20日掲載

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