税金1億7000万円を使って誕生する「タレント上西小百合」の今後

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杉村太蔵との違い

 それでも国会議員としての実績があったのなら、まだいいはずだ。上西氏は不出馬の意向を明かした会見で、「救急救命士の処置範囲の拡大」や「森友学園の追及」を、“成し遂げたこと”に挙げている。

「救急救命士の処置拡大は、政治経験のある秘書がかねてから関心を持っていたもので、上西さんはそれに乗っかっただけ。さらにいえば、一連のタレント的な活動も、スポーツ紙やテレビ局に顔が利く元秘書の“プロデュース”なんです。どうでもいいような彼女のSNSでの発言が記事になるのは彼がいるから。そういう人が後ろ盾にいるのを知っていましたし、どうせ3回目の当選はないと思っていました。今回の“タレント転向”をニュースで見ても驚きませんでしたよ。既定路線でしょう」(同)

 上西氏の政界からの撤退を受け、早くも“薄口評論家”こと杉村太蔵氏(38)と比較する声がある。杉村氏の場合、“講演会での収入で年収1億円”と、その成功の程をテレビ番組で明かしているが、上西氏の今後はどうか。碓井広義・上智大学教授(メディア文化論)に分析して頂こう。

「たしかに顔と名前は知られていますが、国民は上西さんのこれまでの振る舞いを忘れていません。視聴者は彼女を求めていないでしょう。杉村さんは上西さんと違い、スキャンダルで失脚したわけではないですから、世間が抱く印象が違います。それに彼の場合、テレビを通して一生懸命な愚直さが伝わってきますよね。講演などに呼ばれるにはこうしたイメージが重要。それに比べ上西さんはご自分を客観視できていないのでは……」

 それにしても、こんな人を政治家にしてしまった“維新”の罪は重い。税金1億7000万円の無駄遣いというほかないが……。

週刊新潮WEB取材班

2017年10月19日掲載

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